マルミミゾウはアフリカゾウの亜種とされる場合もあるが、マルミミゾウはカメルーンからコンゴ、アンゴラにかけての森林地帯に生息するゾウで、よく知られているアフリカゾウのようにサバンナや渓谷などでは見られない。 一見してアフリカゾウに似ているが、肩高は2.1~2.4m程でアフリカゾウよりも小さく、コンゴ川下流域の森林地帯に生息するコビトマルミミゾウ (L.c.pmilio) と呼ばれるものは更に小さい。 また、耳もアフリカゾウよりは小さく、インドゾウよりは大きい。 特徴的なことは、アフリカゾウの爪は、ふつう前足に4本、後ろ足に3本 (インドゾウはふつう前足に5本、後ろ足に4本) であるが、マルミミゾウは前足に5本、後ろ足に4本の爪がある。 また、牙はふつう下方に向かって、あまり曲がらずに伸びている。 しかし、爪の数や耳の大きさ、形には変異があるので、外見だけではマルミミゾウを見分けるのは難しい。 森林地帯で生活することから、群れの数はそれほど多くはなく、単独で生活するものもいると考えられているが、マルミミゾウの詳細はあまり分かっていない。 マルミミゾウの食性などはアフリカゾウと同じであると思われ.るが、牙が下方にのびることや、耳が小さいことなどは、生息地に適応する為と思われている。 また、マルミミゾウをアフリカゾウの亜種とする場合は、草原に生息するアフリカゾウをソウゲンゾウ(Loxodonta africana africana)と呼び、これに対して、森林地帯に生息するマルミミゾウをシンリンゾウ((Loxodonta africana cyclotis)と呼ぶこともある。 いずれにしても、森林の開発や破壊などによってマルミミゾウの個体数は減少しており、現在、マルミミゾウは国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価によって、絶滅危惧種(VU)としてレッドリストに指定されている。 ゾウ科の動物へ / このページの先頭へ |
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マルミミゾウ (シンリンゾウ)