ニホンリスは別名・ホンドリスとも呼ばれていて、本州から四国・九州にかけての、平地から亜高山帯までの森林地帯などに生息している。 樹上性のリスの仲間で、比較的低地の松林などに多く見られ、普段は単独で生活している。 体色は夏毛と冬毛の色が異なり、冬は褐色や灰色を帯びたような褐色で、夏は茶色や赤色を帯びたような褐色となる。 腹面は喉から下が白色なので、本種とよく似たタイワンリス(Callosciurus erythraeus thaiwanensis /下面はベージュや黄土色)と見分けることができる。 手足と指は長く、鋭い鈎爪をもっており、耳が大きく、冬毛では耳の先に房毛が見られる。 昼行性の動物で、主に朝夕に活発に活動する。 行動範囲は雄で0.056~0.4k㎡、雌では0.043~0.13k㎡程度と考えられていて、行動範囲には尿などで臭い付けをして縄張りが主張されている。 また、行動範囲は食糧事情などによって変化するが、森林が分断されているようなところでは、その範囲はかなり広くなるとされている。 若葉や木の実、芽、果実、きのこ類などの植物質を主に食べるが、ドングリや松の種子を好むと言われている。 しかし、ニホンリスは雑食性で、昆虫や小鳥の卵なども食べる。 巣は、小枝や樹皮、苔などを使って樹上の枝の間に丸い巣をつくるが、樹洞を利用してつくることもある。 また、ニホンリスは冬眠せず、秋にはドングリなどの木の実を地中に埋めて蓄える習性がある。 動きはかなり敏捷で、樹上でもすばやく移動し、危険が迫ると鋭い警戒音を発し、毛をふるわせる。 繁殖期は2~3月と5~6月頃に見られ、年に1回か2回繁殖する。 妊娠期間は40日程で、1産2~6子を出産し、子どもは2ヵ月程の授乳期間がある。 野生での寿命は3~5年程度、飼育下で5~7年程度と考えられているが、近縁のユーラシアリス(Sciurus vulgaris)は野生下で12年、飼育下では14年以上の寿命をもつことが知られている。 また、ニホンリスは日本の固有種とされているが、ユーラシアリスの亜種とする説もあり、その場合の学名はS.v.lisとなる。 外敵にはテンやキツネ、猛禽類などがいるが、これらの脅威よりも近年の生息地の減少による影響の方が脅威となっているほか、タイワンリスなども移入されていることから、これに圧迫されての生息数の減少や交雑なども危惧されている。 いずれにせよ、かつては馴染みの深い動物であったニホンリスも、中国地方及び九州地方ではほぼ絶滅したと見られており、保護を要する動物となってしまっている。 尚、国内には本種の他、北海道にエゾリス(Scriurus vulgaris orientis)とエゾシマリス(Tamias sibiricus lineatus)が生息している。 リス科の動物へ / このページの先頭へ |
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ニホンリス (ホンドリス)