トビウサギはケニアからアンゴラにかけてより南のアフリカに分布する齧歯類で、本種のみでトビウサギ科を形成している。 トビウサギは後ろあしが大きく、一見カンガルーに似た感じのする動物だが、尾には長い毛が生え、首は太く、目は丸くて大きい。 体毛は長くて柔らかだが下毛はほとんどなく、腹面は白く、背面は黄土色や赤褐色をしている。 運動するときも尾でバランスを取り、後あしで跳ねるなど、カンガルーに似ている。 また、尾の先はふつうは黒い。 サバンナや半砂漠地帯などの乾燥した地域に生息し、群れはつくらず、ふつうは単独か家族単位で生活している。 トビウサギは日中に活動することもあるが、主として夜行性で、日中は地面に掘った巣穴で休んでいる。 巣穴は前あしの長い爪で掘るが、巣穴はいくつも掘り、数日ごとに使用することもある。 また、巣穴の入口は土でふさぐが、別の逃げ道をつくっているとも言われる。 草の根や球根、茎、種子などの植物質を主に食べるが、イナゴなどの昆虫も食べる。 採食はふつう巣穴からさほど離れていないところで行うが、乾季などで餌や水が不足したときなどは10km以上も移動することがあり、ひと晩に32kmを移動した例も記録されている。 トビウサギは嗅覚、聴覚、視覚ともにすぐれていて、サーバルキャットやカラカルなどのヤマネコやジャッカルなどの外敵が迫ったときや驚いたときには、すばやく巣穴に飛び込む。 このときの跳躍はひと跳び2~3mから時には6~9mにも達する。 トビウサギは、トウモロコシや麦などの農作物を荒らすので害獣として駆除されている他、食用としても捕獲されることがある。 しかし、肉は堅くて、毛皮も良質ではない。 妊娠期間は80日前後で、ふつうは1産1子を出産する。 生まれたばかりの子どもの体重は280~300g程で、目は3日程で開く。 寿命は7年程度と考えられているが、飼育下では13年程度と言われている。 トビウサギ科の動物へ / このページの先頭へ |
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トビウサギ