ゴールデンターキン

ゴールデンターキン さんのプロフィール


動物図鑑・ゴールデンターキン

ゴールデンターキン

偶蹄目 ウシ科
学 名 Budorcas taxicolor bedfordi
英 名 Golden Takin
分布域 中国
生息環境 高山地帯
体 長 170~220cm 程度
尾 長 15~20cm 程度
体 重 230~300kg程度
IUCNによる保存状況評価 / 絶滅危惧種 (VU)

ゴールデンターキンは、名前のように、オレンジ色を帯びたような黄色や金白色の毛をもつウシ科の動物で、体も大きく、堂々としている印象を受ける。


分布
ターキンは比較的大型の哺乳類で、ニホンカモシカなどと同じヤギ亜科に属している。
・チベットターキン (アッサムターキン・Budorcas taxicolor taxicolor)
・ゴールデンターキン (シェンシーターキン・B. t. bedfordi)
・スーチョワンターキン (B. t. tibetanus)
の3亜種、或いは、ブータンターキン (B. t. whitei)を入れて4亜種が知られている。

これらターキンの仲間は、チベットやブータン、ミャンマー北部、中国の四川省や陝西省、雲南省北西部や甘粛南東部などに分布しているが、ゴールデンターキンは、中国陝西省南部の秦嶺山脈などに生息している。


形態
体は雄の方が大きく、大きい雄では体重350kg程に成長するが、雌雄共に全体にがっしりとした感じがする。
四肢は短いが蹄は大きく、離れていても良く目立つ。

角は雌雄ともにあり、根元は太くてスイギュウの角に似ているが、最初は外側に向かい、それから後方に向かって伸びる特異な形をしている。
角の長さは60cm程もあるが、大きな雄では、90cm近くになる立派な角をもつものもいると言われている。

毛色は、名前のように、全身がオレンジ色を帯びたような黄色や金白色をしている。
体毛は高地での寒さを避けるため長くて厚いが、ターキンの仲間には、呼吸によって体温が失われることを防ぐため、鼻には副鼻腔があり、吸入した空気を暖めることもできるようになっている。

また、皮膚からは油分のある物質を分泌し、冷たい雨などから体を保護し、厳しい山岳地帯での生活に適応している。
この油を含んだ物質には独特のにおいがあるが、この油分のため、体毛はべとつき、ゴールデンターキンの体毛も茶色に見えることがある。


生態・生活
ゴールデンターキンは、陝西省南部の秦嶺山脈に生息していて、草に覆われた岩の多い高地や谷の森林地帯などで生活している。
標高1,500~3,600m程の高地で見られ、ササやシャクナゲが密生しているようなところを好んで生息していることが多い。

また、ターキンの仲間は群れをつくって生活しているが、ゴールデンターキンも群れをつくって生活している。
この群れは家族群で、複数の雌とその子どもたち、若い雄からなっているが、夏季には家族群が集まり、その数は多くなる。

時には100頭程の大きな群れになることがあると言われているが、餌の少なくなる冬になると群れの数は少なくなり、大きくても20頭くらいまでで、平均すると10頭ほどの小さな家族群の群れになる。
また、冬季には標高の低いところに降りてくるほか、成熟した雄や年老いた雄は、ふつうは単独で生活している。

早朝や夕方に活発に菜食し、主に落葉樹の木の葉や草、ハーブなどを食べるが、冬季には小枝なども食べる。
3m近い高さにある木の葉なども採食し、このような時には後足で立って食べることが観察されている。

体が大きいこともあり力が強く、直径10cm程度の苗木なら倒してしまうことも知られているが、ターキンの仲間はミネラルを多量に摂取する必要がありことから、長距離を移動して、塩分を含む岩石鉱床に数日のあいだ留まることもある。

また、ゴールデンターキンは、動物園などで見ていると動きはゆっくりとしているが、危険を感じると、山地の岩場をすばやく移動することができる。
後足で立って前足が届く高さなら、傾斜のある急な岩でも登ってしまうが、動物園でもその様な様子を観察することができる。


繁殖・寿命
繁殖期は6~7月頃で、雌は妊娠期間200~220日ほどで、1産1~2子、ふつうは1子を出産する。
生まれたばかりの子どもの体重は5~7kg程度で、生後3日ほどで親のまわりについて歩くようになる。

生後1~2ヶ月で固形食を食べはじめ、角は生後半年ほどで成長しはじめる。
性成熟には2~2年半程度、完全に性成熟するには3年半程かかると言われているが、野生下では雌で4年半、雄で5年半とも言われている。

野生での寿命は16~18年程度と考えられているが、飼育下ではこれよりも少し長く、20年程度と言われている。

外敵はクマオオカミヒョウなどが挙げられるが、肉を目的とした密猟なども大きな脅威となっている。


保護状況・その他
ゴールデンターキンは元来の生息数が少なく、スーチョワンターキンなどと共に国際保護動物に指定されている。
また、ターキンの仲間は国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価によっても、絶滅危惧種(VU)としてレッドリストに指定されているが、分布域も限られていることから、更なる生息数の減少も心配されている。

尚、ゴールデンターキンが生息する地域には、キンシコウジャイアントパンダなども生息しているが、これらの動物も生息地の開発などによって生息地が断片化し、いずれも絶滅危惧種に指定されてもいるが、ゴールデンターキンと共に、更なる生息数の減少が心配されている。


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