アノア (またはローランドアノア) は、インドネシアのセレベス島北部だけに生息する小型のスイギュウで、体高70~100cm、平均体重は150~230kg程度。 アフリカに生息するアフリカスイギュウは体長 2.1~3.4m、体 重 600~900kg 位であるから、アノアはかなり小さいといえる。 また、家畜のロバの体長が2m程度、体重が250kg前後であるから、アノアはこれよりもひと回り程度小さい。 体色は茶褐色や黒色で、雄のほうが色が濃い。 幼獣のうちは全身が体毛で覆わてれるが、成獣になるといずれも被毛が少なくなる。 また、目の下や背中、四肢などに白い斑がある固体も見られる。 角は雌雄ともにあり、長さは20~35cm程度だが、雄の長いものでは40cm近くになる。 この角は他のスイギュウと同じように三角形の断面をしているが、アノアの角はほぼまっすぐ上の方に伸びているのが特徴で、スイギュウの角のように湾曲していない。 野生状態での生態などはよく知られていないが、森林内の沼地などの湿地帯を好み、普段は単独か母親とその子どもで生活している。 数頭から10頭程の小さな群れをつくることも知られているが、他のウシ科のように大きな群れをつくることはない。 日中は休んでいて、朝夕に草木の芽や木の葉、木の枝、水生植物、果実などを食べるが、アノアは塩舐めをするほか、海水を飲んでミネラル補給することが知られている。 また、雄は角で樹木にマーキングすることなどが観察されていることから、一定の縄張りを持っていると考えられている。 決まった繁殖期は見られず、妊娠期間275~315日程で、ふつうは1産1子を出産する。 子どもは6~9ヶ月程は授乳され、雌雄共に2年程で性成熟する。 飼育下での寿命は31年を記録したものがあるが、野生下では長くても20年程度と考えられている。 アノアには低地に生息しているローランドアノアのほか、平均体高70cm程度の更に体が小さいマウンテンアノア(Bubalus quarlesi)が知られているが、いずれも近年においては乱獲の他、生息地の開発や破壊などによって個体数は激減している。 現在、アノアは国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価によって、絶滅危惧種(EN)としてレッドリストに指定され保護されているが、更なる保護が求められている。 ウシ科の動物へ / このページの先頭へ |
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アノア(ローランドアノア)