ローンアンテロープはサハラ砂漠より南に分布している大型のレイヨウで、エランドに次いで体が大きいとされている。 毛色は赤褐色や灰褐色、灰色などで、腹面は白っぽい。 顔にははっきりとした白と黒の特徴的な斑があり、耳は大きく、先には房毛のような長い毛が生えている。 また、喉から首にかけては長い毛があり、首の後ろから背にかけてもタテガミ状の長い毛が見られる。 一見するとセーブルアンテロープに似た感じがするが、体色や顔の斑も異なっていて、ローンアンテロープの方が体も大きく、四肢が長い。 角もサーベル状に湾曲したものを雌雄共に持っているが、ローンアンテロープの角は50~95cm程度で、セーブルアンテロープ程は長くはない。 しかし、生息環境や習性などはよく似ていて、ローンアンテロープも開けた草原やサバンナに生息している。 昼間に活動するが、朝夕の涼しい時間に活発に動きまわり、イネ科の草類や木の葉、果実などを食べる。 また、水は毎日飲み、水辺から遠く離れたようなところでは見られない。 普通は5~15頭程の群れで暮らし、この群れは1頭の雄と複数の雌、その子ども達からなっている。 雄は群れに近づくほかの雄などと角を合わせて激しく争うが、互いに致命傷に至るまで戦うことはない。 また、群れの中の雌には順位が見られるほか、時には30~35頭程の群れをつくることがある。 大きな群れの場合は、乾季などで水や草類が少なくなり、これを求めて水などが残っているところに集まるためだと言われている。 外敵はライオンやヒョウ、ハイエナなどだが、成獣が襲われることは稀で、多くは若い者や年老いたもの、怪我をしているものなどが襲われる。 また、体は大きいが走るのは速く、時速57km程で駆けることが出来ると言われている。 一夫多妻で、決まった繁殖期は見られないが、乾季に出産することはほとんど見られない。 妊娠期間は260~280日程で、ふつう1産1子を出産するが、雌は出産の1~2週間くらい前には群れから少し離れ、出産の後に群れに戻ってくる。 生まれたばかりの子どもの体重は15kg程で、群れから離れたところで育てられる。 半年ほどの授乳期間があるが、母親は日中は群れの中で過ごし、夕暮れ時には子どものもとへ帰り、夕方と早朝に授乳する。 子どもは生後4~5週間ほどの間はそのようにして育てられ、充分に成長した後、群れの中に入っていく。 雌で2年、雄は3年程で性成熟し、雌は群れが大きくなるまではその群れの中に留まるが、雄はこの頃には群れを離れて独立する。 若い雄は、3~5頭程度の雄同士の群れをつくり、5~6年で自分の群れをもつようになる。 野生での寿命は長くて17年程度と言われている。 以前はサハラより南のサバンナや草原で広く見られたが、アフリカ東部から南部にかけては稀になっている。 現在のところ、ローンアンテロープは絶滅危惧種には指定されていないが、既知であった分布域の大部分から姿を消していると言われていて、ブルンジやエリトリア、ガンビアでは既に絶滅しているとされている。 ウシ科の動物へ / このページの先頭へ |
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ローンアンテロープ