動物図鑑・ビルマニシキヘビ

ビルマニシキヘビ さんのプロフィール



動物図鑑・ビルマニシキヘビ

ビルマニシキヘビ

有鱗目・ニシキヘビ科
学 名 Python bivittatus
英 名 Burmese python
分布域 東南アジアなど
生息環境 森林や草原、丘陵や湿地など
全 長 雄で 2.5~3.5m 程度、雌で 3~4m 程度
体 重 20~30kg 程度
IUCNによる保存状況評価 / 絶滅危惧種 (VU)

ビルマニシキヘビは大型のニシキヘビで、アフリカニシキヘビアミメニシキヘビ、グリーンアナコンダなどと共に、全長5mを超えるヘビとして知られている。

以前はインドニシキヘビ(Python molurus)の亜種(P. m. bivittatus)とされていたが、現在は独立種として扱われていて、インド東部やブータン西部、ネパールからバングラディシュ南東部、ミャンマーを経て、タイからベトナム、中国南部などに分布している。
また、マレー半島やスマトラ島などには見られないが、ジャワ島やスンバワ島、スラウェシ島南東部などには分布している。

頭部は三角形で縦扁していて、総排泄腔の両側には後足の痕跡である蹴爪があるが、この蹴爪は雄では特に大きい。

体色は淡い黄褐色や褐色のような色合いで、多数の黒く縁取られた暗褐色の斑がある。
全体には網目模様のようにも見えるこの斑は、動物園などで見るとよく目立つが、生息地では保護色の役目を果たしている。
また、頭部の斑もはっきりとしていて、矢じりのように見える三角形の斑がある。

知られている最大のものは、全長5.7mで、27年の寿命があったと言われているが、平均した全長は3.7m程で、4mを超える固体は、野生では珍しい。
稀に5mを超えるものも見られるが、大きい固体は雌であることが多く、野生下の雌では、平均3.5mで体重29kg程度、雄では平均3m程で体重18kg程度とも言われていて、体は雌の方が大きくて体重も重くなる。

時に、ビルマニシキヘビの最大のものは7m、或いは8mを超えると言われているが、これが本種なのかインドニシキヘビなのかははっきりとしないし、実際に確認されたものなのかもはっきりしない。
しかし、いずれにしてもこのような大型の固体は特別なもので、野生下では見られない。

ビルマニシキヘビは森林や草原、丘陵や渓谷、湿地や沼地など、さまざまな環境に生息しているが、水辺の近くで見られることが多く、水源から遠く離れることはない。
普段は単独で生活していて、昼間も活動するが、主として夜間に活動する。

泳ぎは巧みで、潜水能力にも優れ、30分ほどの間は水中で過ごすことができると言われている。
また、樹木にもよく登るが、成長した大きい固体は地上で過ごすことが多くなる。

カエルやトカゲなどの両生類や爬虫類、げっ歯類や鳥類、その卵などを食べるが、口は大きく開き、獲物は大きな口で丸呑みにしてしまう。
視力は極めて弱いが、舌を使ってにおい感じたり、顎の下にある熱を感じる器官を使って獲物を探し出す。

大きい獲物は体を巻きつけて絞めつけ、相手が弱ったところで丸呑みにするが、サルイノシシシカなども捕らえ、時にはヤギやブタなどの家畜を襲うこともある。
アフリカニシキヘビよりはおとなしいと言われているが、大型のものは稀にワニを捕らえることがある。
また、ヒョウを捕らえることがあるとも言われているが、これについてははっきりとしない。

繁殖は春の早い時期に行われ、雌は60~90日ほどの後に産卵する。
産卵数は雌の体の大きさよって異なり、時に100個程の卵を産むが、平均すると12~36個程の卵を産む。

巣は樹洞や地面の窪みなどで、およそ2ヵ月後に孵化するまで、雌は卵を取り巻き、保護する習性がある。
孵化したばかりの子どもは、全長60~75cm程度、体重110~120g程で、発達した状態で生まれてくる。

ところで、アフリカニシキヘビやボールニシキヘビなど、ニシキヘビの仲間は抱卵することが知られているが、これらのヘビは卵を取り巻いて保護するだけだが、ビルマニシキヘビの雌は、自らの体温を上げて卵を保温することができる。

これは筋肉を収縮させることによって行われ、時に、雌は体を痙攣させて体温を上げ、卵を保温する。
特に、寒くなると激しく体を痙攣させるが、ビルマニシキヘビの雌は、自ら体温を上げることのできる数少ない爬虫類と言われている。
また、この行動はインドニシキヘビでも見られる。

子どものうちの成長は早く、1年で2mを超えることが多い。
4年程で親の大きさに成長し、その後は20年を超える生涯に渡り、ゆっくりと成長を続ける。
雌雄共に3~4年程で性成熟し、寿命は15~25年程度と言われている。

時にヒョウなどに捕らえられることがあるが、成長したビルマニシキヘビには、ほとんど外敵がいないと言われている。
しかし、食料や皮を目的とした乱獲や、近年では生息地の開発なども重なり、全体に生息数が減少している。

現在、ビルマニシキヘビは国際自然保護連合(IUCN)の評価では絶滅危惧種(VU)に指定されているが、食料や薬用としての密猟も後を絶たず、更なる個体数の減少が心配されている。
しかし、一方では、アメリカ・フロリダ州南部などでは飼育していたものが逃げ出して野生化し、外来種問題を起こしている。

尚、ニシキヘビ科は、ボア科とされる場合もある。

*写真右下3枚は、白色変種

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