動物図鑑・アメリカアリゲーター

アメリカアリゲーター (ミシシッピーワニ) さんのプロフィール



動物図鑑・アメリカアリゲーター

アメリカアリゲーター (ミシシッピーワニ)

ワニ目・アリゲーター科
学 名 Alligator mississippiensis
英 名 American alligator / Gator / Common alligator
分布域 アメリカ合衆国の南東部
生息環境 平野部の河川や湖沼、湿地など
全 長 2.8~4m 程度
体 重 200~350kg 程度

アメリカアリゲーターはアメリカ合衆国の南東部に分布している固有種で、別名・ミシシッピーワニとも呼ばれている。
テキサス州南部からルイジアナ州、ミシシッピー州を経て、フロリダ州からノースカロライナ州に至る平野部に分布しているほか、アーカンソー州のミシシッピー川流域にも分布している。

吻は長くて縦扁し、吻先は丸みを帯びている。
首は太くて、上側には4枚の頸鱗板がある。
尾も太くて長く、脊鱗板は8列で、いずれもよく目立つ。

四肢には水掻きをもっていて、前肢のものはあまり目立たないが、後肢のものはよく発達している。
また、指は前肢に5本、後肢に4本ある。

体色は、茶色や灰色、緑がかった黒褐色のような色合いをしているが、腹側は淡い褐色をしている。
子どもには、背側にはっきりとした黄色い横縞があるが、成長と共に薄くなり、やがて消えていく。

体格や体つきは、食べ物や生息環境によって差があるが、体は雄の方が大きい。
また、例外的に5mを超えるものも知られているが、大きいものでも全長4.5m程で、4mを超えるものは珍しい。

アメリカアリゲーターは淡水性のワニで、平野部の河川や湖沼、湿地などに生息している。
マングローブが茂る河口域などで見られることもあるが、塩分の高い海水には適応しておらず、長い時間は留まっていない。

昼間に活動するが、時に夜間も活動し、子どもは群れで生活しているが、成長と共に分散していく。
縄張りをもった生活をしていて、侵入者に対しては、大きなうなり声を上げて威嚇する。
声帯はもっているが、この音は、肺に空気を吸い込み、断続的に吐き出すことによって出している。

行動範囲は食糧事情などによって変化するが、雄は5平方キロメートルよりも広い行動範囲をもっていると言われている。
雌は普通これよりも狭い範囲を縄張りとしているが、雌雄共に、繁殖期などでは行動範囲が広くなる。

陸上での動きは鈍いように見えるが、意外と素早く動くことができる。
アメリカアリゲーターはしばしば早歩きをしていて、他の爬虫類などと違って、尾をほとんど持ち上げて歩くこともできる。
獲物を捕らえるときなど、短い距離なら一気に襲いかかるほどに速い。

泳ぎもうまく、水の中では敏捷に動きまわる。
太くて丈夫な尾は推進力を得るのに適していて、長い尾を左右に振って自由に泳ぐことができる。

子どもの内は、主に水生昆虫やカエル、ワーム類、小魚などを食べるが、成長するにしたがって鳥類や哺乳類なども捕らえるようになり、カメや甲殻類、貝類などを含め、環境に応じて様々なものを捕らえ、僅かながら果実なども食べる。

獲物を捕らえる時は、水の中に体を沈め、目と鼻だけを出して、水辺に近寄ってくるものを待ち伏せしたりする。
小さい獲物は丸呑みにするが、時にはシカアライグマ、イヌなども捕らえる。

このような大きい獲物は水の中に引き込み、食いちぎるようにして食べるが、食べやすくなるよう、しばらくは水の中に置いたままにしたり、口の中に入れたままにしていることもある。
また、大型のアメリカアリゲーターは稀にピューマを捕らえることもあり、ピューマにとっては唯一の捕食者になっている。

性質は、クロコダイル科のイリエワニやアメリカワニに比較しておとなしいと言われていて、人を襲うようなことあまりないが、子どもを連れているようなものは気が荒くなる。
噛み付くだけでなく、尾で叩く力も強く、人への被害も報告されているので、無用に近寄るのは危険である。

気温が低いと動きは鈍くなり、川岸などに穴を掘ってじっとしていることが多く、冬に気温が下がる地域のものは冬眠する。
穴は年とともに大きくなり、しばしば20m程の長さになるが、寒いときだけでなく、非常に暑いときも日差しを避けて休んでいる。
この穴には乾季でも水が溜まっていて皮膚の乾燥を防いているが、この水は水生生物や昆虫、両生類や爬虫類、鳥などにとっても大切なものとなっている。

一夫多妻で、繁殖期は5月頃に見られ、この時期の雄は、しばしば大きな声を上げて雌を誘う。
また、人に聞き超えないような音を出すとも言われていて、この時は、水面に泡がたったり、波紋が広がったりすることが観察されると言われている。

交尾は水の中で行われ、産卵は6~7月頃に見られる。
雌は泥や植物などで産卵用の塚状の巣をつくるが、巣は直径2m、高さ1m程もあり、水源の近くに作られる。

巣の上部をすり鉢状に掘って、長径7.5cm、短径4cm程の白色の卵を20~60個程産み落とす。
その後、巣は植物などで覆われるが、巣の中の温度は、巣を覆う植物が腐敗するときに発する発酵熱で保温される。

卵は50~60日程で孵化するが、生まれてくる雌雄の発生は孵卵中の温度によって左右され、温度が低い(30℃以下)と雌が、高い場合(34℃以上)は雄が生まれ、その間では両方が生まれてくる。
また、雌は孵化するまでのあいだ巣を守る習性があり、雨などで巣が崩れそうになると、体で巣を押さえつけて整えるようなこともする。

孵化がはじまると、雌は、殻を破る音や子どもの鳴き声に呼応して植物や泥を取り省き、子どもを巣から咥えて水辺へと運んでいく。
孵化したばかりの子どもは全長15~20cm程で、すぐに水の中に入っていく。
子どもは群れをつくって生活し、半年から1年、長いものは2年程は親の近くに留まっている。

最初の4年程は成長が早く、1年で30cmを超えることもある。
8年程で1.8~2m程に成長するが、その後は、生涯を通してゆっくりと成長を続ける。
早いものは6年程で成熟するが、普通は8年程度、遅いものだと10~12年程で成熟すると言われている。

成長したアメリカアリゲーターにはほとんど外敵がいないが、子どもは大型のヘビや猛禽類、アライグマやカワウソ、オオヤマネコボブキャットなどのほか、成長したアメリカアリゲーターに襲われることもある。
野生での寿命は35~50年程度と考えられているが、飼育下では70年を超えたものがいる。

アメリカアリゲーターは、生息地の開発や皮を目的とした乱獲などによって一時は生息数が激減し、絶滅が危惧されていたが、保護政策などにより生息数は回復してきている。

この他、アメリカアリゲーターはアリゲーター科・アリゲーター属に属していて、同属のものでは中国の揚子江(長江)に生息するヨウスコウワニ(Alligator sinensis)が知られているが、同属のものが海を隔てて分布しているのは興味深い。



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 今後とも園内の充実を図っていく予定ですので、動物図鑑や写真集などとして、是非利用してください。
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