動物図鑑・アメリカマナティー

アメリカマナティー さんのプロフィール



動物図鑑・アメリカマナティー

アメリカマナティー

海牛目 マナティー科
学 名 Trichechus manatus
英 名 Caribbean manatee / West Indian manatee
分布域 アメリカ合衆国のヴァージニア州北部からブラジル中部辺り
生息環境 沿岸や汽水域、河川など
全 長 2.5~3.5m 程度
体 重 200~600kg 程度
IUCNによる保存状況評価 / 絶滅危惧種 (VU)

マナティーは、インド洋沿岸部などに分布しているジュゴンと共に人魚のモデルとして知られているが、アメリカマナティーは北アメリカのフロリダ半島や西インド諸島、カリブ海沿岸域からブラジルの中部辺りにかけての沿岸域などに分布している。

アンティルマナティー(T. m. manatus)とフロリダマナティー(T. m. latirostris)の2亜種に別けられる場合があるが、フロリダ周辺に分布しているフロリダマナティーは、夏季にはヴァージニア州北部辺りまで見られ、海獣類が分布する北限に生息するとも言われている。

体はずんぐりとして、体色は灰褐色や紫がかったような灰色で、短毛がまばらに生えている。
前肢はひれ状で、先には痕跡的な2cm程度の爪が3~4本見られるが、後肢は体内に隠れて見えない。

ジュゴンに似た感じがするが、尾は半月形ではなく、丸いシャベル状になっている。
また、肘は体の外に出ていて、前肢は長い。
この前肢は胸の前で合わせることができ、食べ物を口に運ぶことができる。

マナティーはほぼ完全な水生生活をしていて、沿岸域の浅場や汽水域、河口や運河などに生息しているが、水深が3~5m程あるところに多く見られる。
また、塩分濃度の大きな変化にも適応していて、ジュゴンと違い、アメリカマナティーは流れの緩やかな河川などの純淡水域にも生息していて、フロリダのセントジョンズ川では海から200km程も遡ったところで見つかっている。

普段は単独か2~3頭程度の家族単位の群れで生活し、アマモなどの海草や水生植物を食べるが、海藻のほか水辺にある陸生の植物なども食べる。
また、植物質の他、無脊椎動物やいくつかの魚を食べることも知られている。

浅瀬などでは前肢を使って進むことがあるが、大きいものでは体長4.5m、体重は1600kg程にもなり、成長しきったものは陸上では歩くことが出来ない。

ずんぐりとした体に似合わず、水中での動きは軽快で、泳ぐときはシャベル状の尾をイルカのように上下に振って泳ぐが、幼獣では前肢を使って泳ぐ。
また、呼吸は普通5分程度で浮上して行うが、15分程は潜水していることが出来る。

アメリカマナティーは水温の変化に敏感と言われていて、フロリダ周辺に分布しているものは、夏はヴァージニア州北部辺りまで見られるが、冬季には温かい場所を求めて回遊し、フロリダ周辺や発電所の暖かい排水が流れ込むようなところに群れることがある。

決まった繁殖期は見られないが、多くの場合、雌は複数の雄と交尾を行う。
妊娠期間は12~14ヵ月で、普通は1産1子を出産するが、稀に2子を出産することもある。
生まれたばかりの子どもは体長1.2~1.4m、体重は30kg程で、長ければ2年ほどの間は親と一緒に生活している。

雌は7~9年、雄は9~10年程で完全に性成熟し、野生での寿命は30年程度と言われているが、飼育下では60年を超えたものも知られている。

アメリカマナティーには決まった外敵はいないが、漁業用の網にかかったり、プレジャーボートなどによる事故が脅威とされているほか、生息地では食用とされることもある。
近年では生息数が減少傾向にあって、国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価では絶滅危惧種(VU)としてレッドリストに指定されているが、分布域も連続しておらず、更なる個体数の減少も懸念されている。

尚、本種のほか、マナティーにはアフリカマナティー(Trichechus senegalensis)と、アマゾンマナティー(Trichechus inunguis)が知られている。



Private Zoo Gardenは、国内の動物園で会える動物たちを紹介している、インターネット動物園です。
 今後とも園内の充実を図っていく予定ですので、動物図鑑や写真集などとして、是非利用してください。
このページの先頭へ

動物図鑑、アメリカマナティー 1動物図鑑、アメリカマナティー 2動物図鑑、アメリカマナティー 3動物図鑑、アメリカマナティー 4動物図鑑、アメリカマナティー 5