動物図鑑・スナメリ

スナメリ さんのプロフィール



動物図鑑・スナメリ

スナメリ

鯨目 ネズミイルカ科
学 名 Neophocaena phocaenoides
英 名 Indo-Pacific finless porpoise / Finless porpoise
分布域 日本や東シナ海、インド洋沿岸など
生息環境 主に沿岸の海水域
体 長 120~200cm 程度 (平均で150cm 程度)
体 重 30~60kg 程度 (平均で45kg 程度)
IUCNによる保存状況評価 / 絶滅危惧種 (VU)

スナメリは、ペルシャ湾からパキスタン、インド、バングラディシュなどのインド洋、マラッカ海峡を経て、東シナ海や日本などに分布している小型のイルカ類で、国内では、ナメリ、ナメノウオ、スザメ、ゼゴ、ゼゴンドウなど、いくつかの別名で呼ばれることもある。
また、国内では、富山湾辺りまでの日本海側、太平洋側では仙台湾辺りまで見られ、瀬戸内海から紀伊水道にかけては最も多く生息している。

主に沿岸の海水域に生息していて、外洋で見られることは滅多にないが、スナメリは揚子江(長江)などの淡水域にも生息している。

体色は銀白色のような明るい灰色で、頭部は丸みを帯びていて、尾びれは三日月型のような形をしている。

英名で「Finless porpoise」と呼ばれるように、スナメリには背びれがないが、背中の正中線に沿って皮膚が2~3cmほど盛り上がっていて、これが背びれに相当している。
この部分には角質化した小突起が密生しているが、内部には多くの神経終末があり、これは仲間同士のコミュニケーションに役立っているのではないかと考えられている。

平均した体長は1.5m程で、イロワケイルカなど共に、クジラ類の中では最も体が小さいが、大きいものでは2mを超え、体重も70kg程に成長するものも見られる。
また、体は雄の方が雌よりも大きい。

一見するとシロイルカ(ベルーガ)に似ているが、体の大きさは随分と違い、スナメリが1.5~2m程であるのに対して、シロイルカは3~5.5m程に成長する。
また、シロイルカの頭部も丸いが、前頭部にはメロンと呼ばれる脂肪組織の突起が見られるほか、シロイルカは北極海やベーリング海、オホーツク海やセントローレンス湾など、寒い海域に分布しているが、スナメリはアジア沿岸に分布していて、日本沿岸が分布の北限になっている。

スナメリは、普通は水深50m位までの浅い海域で見られ、砂底など、海底が滑らかなところを好んで生活している。
また、河口やマングローブが茂る沼地などでも見られるが、純淡水域にも生息していて、揚子江を1600km程ものぼった記録が知られている。

時に50頭程の群れで見られることがあるが、普通は群れをつくることはなく、単独やペア、5頭位までの小さなグループで生活している。

胸びれはよく発達していて、泳ぎはうまい。
体もしなやかで、マイルカなどに比べると、頭部もよく動かすことができる。
しかし、反転や横転なども巧みに行うが、めったに海面上に飛び出すことはない。


性質はおとなしいが、むしろ臆病で警戒心が強く、ハンドウイルカ(バンドウイルカ)やカマイルカなどのように船の近くに寄ってくるようなこともない。
また、大きな回遊はしないが、瀬戸内海に生息しているものは、春は瀬戸内海で過ごし、秋から冬頃には太平洋に移動することが知られている。

主に魚類や甲殻類のほか、頭足類や底性の無脊椎動物など、生息環境に合わせて様々なものを食べるが、スナメリはいくつかの植物質のものも食べることが知られている。

国内沿岸ではコノシロやアジ、イカナゴやカタクチイワシなどの群集する魚を食べていると考えられているが、採餌するときは、群れに突っ込むようなことはなく、ぐるぐると群れの周りをまわりながら食べると言われている。

繁殖期は地域によって異なるが、晩春から初夏頃で、妊娠期間10~11ヶ月程で、普通は1産1仔を出産する。
出産は2~8月の間で見られ、生まれたばかりの子どもの体重は25kg程で、体長は70~80cm程度。
体色は全身が黒っぽいが、背中の隆起付近は灰色をしている。

生後4~6ヶ月程で親と同じ色になり、7~10ヶ月程で離乳する。
雄は4~9年、雌は3~7年程で性成熟するが、早いものでは雌雄共に2年程で性成熟する。
また、外敵は大型のサメなどで、野生では23年の寿命をもっていることが知られている。

このほか、以前は揚子江に分布していたもの(N. p. asiaeorientalis ssp)を別亜種として、スナメリは3亜種と考えられていたが、現在ではN. p. phocaenoidesと同亜種と考えられていて、

 ・Neophocaena phocaenoides phocaenoides
   背中の隆起幅は広く、ペルシャ湾から台湾にかけて分布
 ・N. p. sunameri
   背中の隆起幅は狭く、台湾から東シナ海、南日本に分布

の2亜種が確認されている。

尚、スナメリは、かつては喜望峰からペルシャ湾にかけても分布していたと言われているが、近年は地域によっての食用や脂などを目的とした捕獲や魚網による混獲、沿岸の開発による生息域の減少などによって生息数が減少している。

現在、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに絶滅危惧種(VU)として指定されているほか、国内でもジュゴンなどが天然記念物として指定されているが、スナメリに関しても、「スナメリクジラ廻游海面」として、広島県の一部海域が天然記念物に指定されている。




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 今後とも園内の充実を図っていく予定ですので、動物図鑑や写真集などとして、是非利用してください。
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