オオヨシキリ

オオヨシキリ さんのプロフィール


鳥類図鑑・オオヨシキリ

オオヨシキリ

スズメ目・ヨシキリ科
学 名 Acrocephalus orientalis
英 名 Oriental reed warbler
分布域 日本では夏鳥として飛来し、各地で繁殖している
生息環境 ヨシ(アシ)の茂る河川や湖沼周り、休耕田や湿地など
全 長 18~20cm 程度
翼開長 23~26cm 程度
体 重 20~50g 程度
自治体によっては準絶滅危惧種

オオヨシキリは大型のヨシキリ類で、日本では夏鳥として飛来し、各地で繁殖している。

分布域
夏にはシベリア南部からモンゴルを経て中国や韓国、日本などで繁殖し、冬にはインド北東部から東南アジア、フィリピンやインドネシアに渡り越冬する。

また、ニューギニアやオーストラリアまで移動することもあるが、日本には夏鳥として渡来し、北海道から九州までの全国で繁殖する。


形態

ヨシキリ類では大型で、体はスズメよりも二回りほどは大きく、全長18~20cm程で、翼を広げると23~26cm程の長さがある。

雌雄同色で、上面はオリーブ色や灰褐色で、目立った斑などは見られず、下面は白っぽいが、脇の辺りはやや褐色がかっている。

目の上には白っぽいやや不明瞭な筋(眉斑)があり、尾の先はやや丸くなっている。
また、嘴はやや長く、上嘴は暗色だが、下嘴はピンク色のような色をしている。

幼鳥では、上面が茶色を帯びていて、眉斑や喉からの下面は黄褐色で、胸に不明瞭な淡褐色の縦斑が見られる。

一見するとコヨシキリに似ているが、オオヨシキリの方がふた回りほど大きく、目の上の眉斑はコヨシキリよりも細く、はっきりとしていない。

また、オオヨシキリの嘴の付け根には、口髭のような毛があるので、識別の助けになる。


生態・生活

国内では夏に飛来し、河川や湖沼周り、休耕田や湿地などのヨシ(アシ)が茂る場所に生息している。

主に昆虫類やクモ類を食べるが、カエルなどの両生類やカタツムリ、小魚なども食べる。
採餌は、ヨシ原で茎から茎へと移動しながら昆虫を捕らえたり、飛んでいるものを空中で捕まえたりするが、時に果実なども食べる。

雄はヨシの枝先にとまり、大きな濁った声でさえずるが、口中のオレンジ色がよく目立つ。
また、繁殖期の雄は終日さえずり、鳴き声は一晩中続くこともある。


繁殖・寿命

国内の繁殖期は5~8月頃で、繁殖は一夫多妻や一夫一婦で行われる。

この時期の雄は強く縄張りを主張し、ほかのものと争いながら、できるだけ広い縄張りをつくっていく。
目立つヨシの上で大きな声でさえずったり、低空を飛んだりしてして縄張りがつくられていくが、餌の豊富な縄張りをもつものは、一夫多妻の繁殖傾向があるとも言われている。

巣は、密生した数本のヨシの茎の間につくられ、水辺に近いところにつくられることが多い。
地上から1~1.5m程の高さのところに、枯れ草や穂などを用いてしっかりとした椀状の巣をつくり、細かい根や茎などが敷き詰められている。

雌は3~5個ほどの卵を産み、抱卵は雌によって行われる。
雄は抱卵中の雌に餌を運び、卵は2週間ほどで孵化し、ヒナは孵化後2週間ほどで巣立ちする。

外敵は猛禽類だが、ほとんどは卵やヒナが狙われ、大型のヘビやクイナなども卵やヒナを襲うことがある。
また、6月頃に産卵するものは、カッコウに托卵されることがある。

オオヨシキリの寿命についてはほとんど情報がなく、詳しくは分かっていない。
同属の Acrocephalus arundinaceus が野生下では2年半ほどは生きることが知られているが、ヨシキリ類は8年ほどの寿命があるとも言われている。


保護状況・その他

現在のところ、国際自然保護連合では、絶滅の恐れはないとしている。

しかし、国内では、開発などによって葦原や湿地などが減少していて、オオヨシキリの生息数も減少傾向にある。
その為、自治体によっては準絶滅危惧種などに指定しているが、葦原や湿地などは減少傾向にあり、それに伴い生息数の減少も心配されている。


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