オオヅル さんのプロフィール |
オオヅル |
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ツル目・ツル科 | ||||
学 名 | Grus antigone | |||
英 名 | Sarus crane / Grus antigone | |||
分布域 | パキスタンから東南アジアなど | |||
生息環境 | 湿地や湖沼・河川周りなど | |||
全 長 | 1.2~1.7m 程度 | |||
翼開長 | 2.2~2.5m 程度 | |||
体 重 | 6~10kg 程度 | |||
IUCNによる保存状況評価 / 絶滅危惧種(VU) |
オオヅルは、名前のようにツルの仲間ではもっとも体が大きく、背丈は大人ほどの高さがある。 全体に淡い灰色をしているが、首の上部の赤い色が鮮やかで、よく目立つ。 分布域 オオヅルはパキスタン東部からインド、インドシナ半島などに分布していて、インドでは特に多く生息している。 また、南へ向かうほど個体数が少なくなると言われているが、オーストラリアのクイーンズランド州一部でも少数が繁殖している。 形態 オオヅルは、名前のようにツル類ではもっとも体が多く、翼を広げると2~2.5m程の大きさがある。 背丈も1.5~1.8m程もあり、近くで見るとその大きさがよく分かる。 国内でよく見られるアオサギなどよりもずっと大きく、大きいものでは全長1.8m、体重が12kg程になるものも見られる。 体は雄の方が雌よりも少し大きいが、雌雄ともに同色で、体は全体に淡い灰色をしている。 頭頂は白いが、頭部から首の上部にかけては鮮やかな赤色で、これがオオヅルの特徴になっているが、嘴の付け根から後頭部にかけては黒っぽい。 また、目はオレンジ色をしている。 生態・生活 分布域では留鳥で、一部のものは短距離を移動するが、ほとんどのものは一年を通して生息している。 主に湿地や湖沼周りに生息しているが、草原や河川周辺、耕作地でも見られる。 日中に活動し、ペアや、その子どもたちからなる家族群で生活している。 採餌は主に湿地で行われ、水生植物などを食べるが、動物質のものを好み、魚や甲殻類、カエルなどの両生類などのほか、水生・陸生の昆虫なども食べる。 また、穀類ほか、キュウリなどの農作物を食べることもある。 外敵はジャッカルやカラスなどだが、成鳥が襲われることは少なく、主に幼鳥や卵が狙われる。 繁殖・寿命 繁殖の様子は詳しく分かっておらず、繁殖期は雨期にあたる6~9月頃と言われているが、条件がよければ1年を通して繁殖することもあるとも言われている。 また、交配はふつう一夫一婦で行われるが、一夫多妻であることも知られている。 巣は湿地内につくられ、アシなどの植物を用いて大きなものがつくられる。 巣の直径は2m前後、水面から1m程の高さがあり、遠望すると小さな島のように見えると言われている。 巣の周囲には縄張りが主張され、雌は重さ240g程の白い卵を1~4個、ふつう2~3個を産卵する。 主に雌が抱卵するが、雄も抱卵し、卵は26~36日程で孵化する。 ヒナは1週間ほどの間は親から給餌されるが、その後は親の後について自ら餌を食べる。 ヒナは3か月ほどで自立するが、その間も雌雄によって世話がなされ、次の繁殖期までは親と一緒に生活している。 飼育下では5年ほどで繁殖し、寿命については分かっていないが、ツル類の多くは30~40年ほどの寿命をもっているので、オオヅルもこれと同じ程度の寿命があるのではないかと考えられている。 保護状況・その他 オオヅルは、かつてはマレーシアやフィリピンにも生息していたが、現在は絶滅してしまっている。 タイでも一度は絶滅していて、現在はカンボジアからの個体を導入して、繁殖が試みられている。 この様な状況になってしまったのは、卵などの乱獲のほか湿地の喪失などが挙げられるが、農地開発に伴う農薬の被害も深刻な影響を与えている。 現在、国際自然保護連合(IUCN)では絶滅危惧種(VU)に指定していて、自然の湿地などなどの保存を提案しているほか、分布域での各国でも保護活動が行われている。 尚、オオヅルには次の亜種が認識されている。 Grus antigone antigone (シロエリオオヅル) インド北部やパキスタン東部に分布する基亜種 G. a. sharpei (ヒガシオオヅル ) インド北東部からミャンマー、カンボジアやラオス、ベトナムなど G. a. gilliae (オーストラリアオオヅル) オーストラリア北部 G. a. luzonica (ルソンオオヅル) フィリピンに分布していたが、既に絶滅している。 ツル科の鳥へ / このページの先頭へ |
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