動物図鑑・アリクイ

アリクイ さんのプロフィール



動物図鑑・アリクイ

アリクイ

有毛目 アリクイ亜目
学 名 Vermilingua
英 名 Anteater
分布域 中央・南アメリカ
生息環境 草原や密林、泥沢地帯など
体 長 15~130cm 程度
尾 長 17~100cm 程度
体 重 0.18~40kg 程度
IUCNによる保存状況評価 / 種によって絶滅危惧種

「アリクイ」は有毛目アリクイ亜目に属しているものの総称として使われていて、アリクイ亜目にはオオアリクイ科とヒメアリクイ科が含まれている。
いずれもシロアリなどを主に食べることから名前が付けられているが、地上性のものと樹上性のものがいて、体の大きさや毛色などにも大きな違いがある。
しかし、アリクイの仲間はすべてメキシコ辺りから南アメリカにかけて分布していて、森林や草原地帯などに生息している。

アリクイの特徴は、長い円筒形になっている口で、歯はもっていない。
舌はミミズ状で頭部よりも長く、アリ塚や朽ちた樹木などに長い舌を突っ込んで、シロアリや昆虫などを舐め取るようにして食べる。
また、前肢の爪は強力で、アリ塚を壊したり、外敵に対しての武器にもなっている。

体毛は地上性のものは長いが、樹上性のものでは短い。
尾はどれも長いが、地上性のものは尾にもフサフサとした毛が生えているが、物に巻きつけることはできない。
樹上性のアリクイの尾は木の枝に巻きつけることができ、尾の先や下面には毛が生えていない。

森林や草原、サバンナなどに生息していて、群れをつくることはなく、普段は単独で生活している。
また、視覚や聴覚は鈍いが、嗅覚は優れていて、主に夜間に活動する。
一夫多妻で、ふつうは1産1子、稀に2子を出産する。

尚、アリクイ亜目 (Vermilingua / Anteaters)は2科を含んでいて、ナマケモノの仲間と共に有毛目を構成しているが、以前はアルマジロ類を含め、貧歯目として扱われていた。
現在、アリクイの仲間は3属4種が知られている。

オオアリクイ科 (Myrmecophagidae)
オオアリクイ属 (Myrmecophaga)
オオアリクイ (Myrmecophaga tridactyla / Giant anteater)
中央アメリカのグアテマラ辺りからブラジル、コロンビア、パラグアイなどの南アメリカに分布していて、アリクイの仲間の中ではもっとも体が大きい。
体長は100~130cm、体重は18~40kg程で、尾も体長ほど長く、フサフサとした毛が生えている。
体毛は長く、毛色は黒色や暗褐色などで、胸の辺りから背中に向けては、三角形の形をした特徴的な黒い毛が生えている。
完全な地上性のアリクイで、木に登ることはできず、草原や湿地、開けた熱帯雨林などに生息している。
アリクイの仲間の中では個体数が少なく、現在は国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに絶滅危惧種(VU)として指定されている。
コアリクイ属 (Tamandua)
メキシコ南部辺りからボリビア辺りにかけて分布しているアリクイで、オオアリクイよりは体が小さい。
体長は35~90cm、体重は1.5~8.5kg程で、尾は木の枝に巻きつけることができ、樹上にいることが多い。
体毛は短く、毛色は淡褐色や黄褐色、茶色などで、肩から尾の付け根にかけては、四肢を除いて黒色をしている。
様々な森林地帯に生息していて、主に夜間活動するが、しばしば日中も活動する。
ほかのアリクイと同様、シロアリやアリなどを食べるが、地上での動きはぎこちない。
コアリクイ属は2種が知られているが、南部のものは体の大きさにかなり幅がある。
・キタコアリクイ (Tamandua mexicana / Northern tamandua)
メキシコ中部辺りからコロンビア北西部、 ベネズエラ北西部、エクアドル西部、ペルーの一部などに分布していて、体長60~70cm、尾長40~70cm、体重は3.2~5.5kg程度。
T.m. mexicana (メキシコからホンジュラス)
T.m. instabilis (ベネズエラ西部からコロンビア北部)
T.m. opistholeuca (ニカラグアからコロンビア)
T.m. punensis (エクアドルやペルー)
ミナミコアリクイ (Tamandua tetradactyla / Southern tamandua)
体長35~90cm、体重は1.5~8.5kg程で、地域によって体の大きさに幅がある。
T.t. tetradactyla (ブラジル南部からウルグアイ)
T.t. nigra (コロンビアやベネズエラ、ブラジル北部)
T.t. quichua (エクアドルやペルー、ブラジル西部)
T.t. straminea (ボリビアやブラジル南部からアルゼンチン)
ヒメアリクイ科 (Cyclopedidae)
ヒメアリクイ属 (Cyclopes)
・ヒメアリクイ (Cyclopes didactylus / Silky anteater)
全長36~45cm、尾17~24cm 体重180~400g程度で、オオアリクイ科のものと違って体はかなり小さい。
メキシコ南部から南米のアマゾン盆地周辺にかけて分布していて、多様な森林地帯に生息している。
体毛は短く、毛色は褐色や灰色などをしている。
樹上性のアリクイで、尾を木の枝に巻きつけてゆっくりと移動する。
ほかのアリクイと同様、アリやシロアリなどの昆虫を食べるが、夜間に活動し、地域によって7亜種が知られている。
C. d. didactylus (ガイアナ、ベネズエラ東部)
C. d. catellus (ブラジル西部やボリビア北部、ペルーの南東部)
C. d. dorsalis (メキシコ南部からコロンビア北部)
C. d. eva (コロンビア南西部からエクアドル西部)
C. d. ida (ブラジル西部からエクアドル東部)
C. d. melini (コロンビア東部からブラジル北部)
C. d. mexicanus (メキシコ南部)

* 写真右列下から3枚はコアリクイ、その他はオオアリクイ

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