サル類の多くは食料の豊富な森林地帯に生息しているが、中には開けた草原やサバンナ地帯、岩場などに生息しているものもいて、広義の「サバンナモンキー」とは、主として草原地帯に生息しているものを指していて、ヒヒの仲間なども含まれている。 一般にはアフリカのサハラ砂漠より南に分布しているオナガザル科の旧世界ザルを指していて、パタスザルやグリベットモンキーなど幾つかの種が知られているが、この中でもグリベットモンキーなどが属しているオナガザル科のchlorocebus属のものを指してサバンナモンキーと呼んでいる。 体長は平均すると30~60cm程で、体は全体に細っそりとしている。 また、四肢は長く、尾も体長と同じくらい長い。 体は雄の方が大きいが、雌雄共にニホンザルと同じように、頬には食べ物を一時の間蓄えておくことのできる頬袋をもっている。 毛は短くてビロード感があり、毛色は淡い黄色や灰色やオリーブ色を帯びた茶色、ダークブラウンなどで、アグーチ色のような感じもするが、毛色や体格は種によって変化がある。 しかし、顔や四肢の先には毛がなく、黒っぽい色をしていて、顔の周りにはフサフサとした白い毛が見られる。 この白い毛は胸から腹部へ続き、四肢の内側なども白っぽいほか、雄の陰茎は赤色、陰嚢は青色で、遠くからでもかなり目立つ。 ほとんどのものはサバンナ地帯で生活しているが、岩山や半砂漠地帯などでも見られる。 複数の雄に率いられた群れで生活し、大きいものでは70~100頭程が一緒に生活していることもある。 昼間に活動し夜は木の上で休むが、半樹上性の生活をしていて、他のサル類よりも地上性が強い。 日中の多くを地上で過ごしていて、早朝や夕方には特に活発に活動し、動きも敏捷で跳躍力にも優れている。 果実や木の実、木の葉、根などの植物質のものを食べるが、昆虫やトカゲ、鳥や鳥の卵など、動物質のものもかなり食べ、サバンナモンキーは季節によって様々なものを食べている。 行動範囲は0.06~1.78k㎡程と言われているが、河川や湖沼などの水場から遠く離れることはなく、水は毎日飲む。 一夫多妻で、平均した妊娠時間は163~165日程で、雨季のはじまる頃にふつうは1産1子を出産する。 子どもは半年ほどで離乳し、雌雄共に4~5年で性成熟する。 また、雌は出生群に残るが、雄は性成熟する頃には群れを離れていく。 外敵はライオンやヒョウ、チーターやハイエナなどで、野生での寿命は10~12年程度と言われているが、飼育下ではこれよりも長く、20年を超えることが知られている。 尚、現在chlorocebus属のものは下の6種が認識されているが、これらをひとつの種(グリベットモンキー/Cercopithecus aethiops)として扱うこともあり、呼称も単にサバンナモンキーと呼ばれる他、ミドリザルやグリーンモンキー、ベルベットモンキーなどとも呼ばれ、混乱を生じさせることもある。
この他、サバンナモンキーはアカゲザルやカニクイザルなどと共に医学などの実験動物としても使われているが、近年では生息地の開発などによって個体数は減少傾向にある。 *写真右下2枚はマルブラウクモンキー、他はグリベットモンキー。 オナガザル科の動物へ / このページの先頭へ |
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サバンナモンキー
(ベルベットモンキー / ミドリザル)