ウマグマはチベットやネパール西部、中国甘粛省・青海省・四川省などの山岳地帯に生息するヒグマの仲間で、体長は150cm程度と、ヒグマとしては体が小さい。 しかし、体は他のヒグマと同様がっしりとしていて、見るからに頑丈そうな体つきをしている。 腰よりも肩の方が高く、コブのように肩が盛り上がっていることも他のヒグマと同じで、小さいといっても、ウマグマを間近で見るとかなり大きくて圧倒される。 体色には変化があり、黒色のものや暗褐色・茶褐色などの他、中には胸にツキノワグマのような斑があるものも見られる。 また、海抜4,500~5,000mのヒマラヤ山系にも生息していることから、ウマグマは寒さにはかなり強いと言われている。 ウマグマは飼育されているものが少なく、生態などの詳しいことはあまり分かっていないが、動物や魚のほか、木の実や果実、昆虫などを食べる雑食性であることはヒグマと同じである。 また、中国ではウマグマの走る様子がウマに似ていることから「馬熊」と呼ばれているが、ウマグマには白っぽい体色のものも見られ、ヒマラヤ山脈に住むといわれている「イエティ」と呼ばれる未確認の動物は本種であると考えられている。 いずれにしても、ウマグマの野生での生態や保全状況はよく分かっておらず、野生下での目撃数も極めて少ない。 しかし、「絶滅危惧種の国際取引に関する条約」では付属書Iの国際保護種として指定されていて、生息数はかなり少ないと考えられている。 このほか、ヒグマの仲間にはUrsus arctos gobiensis(Gobi bear)と呼ばれるゴビ砂漠に生息する孤立した集団が知られているが、この種はウマグマと同じ亜種として扱われることがある。 クマ科の動物へ / このページの先頭へ |
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ウマグマ