シュバシコウ

シュバシコウ さんのプロフィール


動物図鑑・シュバシコウ

シュバシコウ

コウノトリ目・コウノトリ科
学 名 Ciconia ciconia
英 名 White stork / European White Stork
分布域 ヨーロッパから西アジア、北アフリカなど
生息環境 湿地帯や水田など
体 長 100~120cm 程度
翼開長 150~175cm 程度
体 重 2.3~4.5kg 程度

シュバシコウはコウノトリの仲間で、ヨーロッパから西アジア、北アフリカなどで繁殖している。
コウノトリとはよく似ているが、嘴の黒いコウノトリとは違い、嘴はオレンジ色で、足もオレンジ色をしている。
●分布域・生息環境
●大きさ・形態
●生態・生活
●繁殖・寿命
●保護状況・その他


シュバシコウの分布域・生息環境
シュバシコウは、ヨーロッパや北アフリカ、小アジアや中東で繁殖し、冬季にはアフリカ熱帯域や中東の一部、インド亜大陸に移動して越冬する。
開けた湿地やサバンナなどのほか、牧草地や耕作地などに生息していて、人との共生的な関係も見られる。

しかし、繁殖域は広いが、繁殖地は分散していて、ヨーロッパでは多くの地域で見られなくなってしまっている。


シュバシコウの大きさ・形態
シュバシコウは大型の鳥で、翼を広げると155~175cm程の長さがあり、大きいものでは翼開長2m程のものも見られる。

平均した大きさは雄の方が雌よりも大きいが、雌雄とも同色をしている鳥で、翼の黒い部分 (風切、肩羽、大雨覆は黒色、次列風切は銀灰色) を除き、全体が白い羽毛に覆われている。

長くて鋭い嘴と脚はオレンジ色をしているが、足は長く、体高の半分ほども占めている。

コウノトリとはよく似ているが、シュバシコウの漢字表記は「朱嘴鸛」と表し、コウノトリの嘴が黒いの対して、表記のごとく、赤い嘴がシュバシコウの特徴になっている。


シュバシコウの生態・生活
シュバシコウは緩やかな群れをつくって生活していて、繁殖期には、大きいものだと40~50羽ほどの群れをつくる。
また、渡りの時期や越冬地では、数百から数千ほどの大きな群れをつくることもある。

日中に活動し、主に湿地や水田近くに生息しているが、特に縄張り意識は見られない。

採餌も地上で行われ、魚やカエルなどの両生類、トカゲやヘビ、クモや昆虫など、様々な動物質のものを食べる。
ネズミなどの小型の哺乳類も食べるほか、地上に巣をつくる鳥の卵やヒナなども食べ、地域や季節によってさまざまなものを食べている。

餌を探すときは、嘴を地面に向けて歩きながら、視覚でを使って餌を探している。
獲物を見つけると嘴を前に突き出して、すばやく獲物をとらえる。

成長したシュバシコウは体が大きいこともあり、外敵はほとんどいない。
しかし、巣も高い場所につくられるが、ヒナや幼鳥はワシやタカなどの猛禽類に襲われることがある。


シュバシコウの繁殖・寿命
繁殖期は3~4月頃で、この時期には緩やかなコロニーのような群れをつくる。
コロニーは数組ほどの小さなものから、大きいものだと40~50羽ほどで構成されている。

交配は一夫一婦で行われ、ペアの関係は一生の間続くと言われている。

ふつう、雄の方が繁殖地に数日ほど早く到着し、巣をつくったりするが、シュバシコウは同じ巣を利用することが多く、前年に使った巣に手を加えたりする。

雌が到着すると求愛行動がはじまり、さまざまなディスプレイが行われる。
シュバシコウはほとんど鳴くことができないが、上下の嘴をたたき合わせて大きな音を発したり、翼を広げて頭を上下に動かしたりする様子が見られる。

巣は高い木の上に小枝を重ね、草と土で固めた皿状の大きな巣をつくるが、シュバシコウは人家の高い屋根の上や煙突、時に電信柱の上などにも巣をつくる。

ポーランドはヨーロッパでは有数の繁殖地になっているが、繁殖期の夏には、湖沼や湿地近くの町や集落では、電柱や家屋の煙突など、多くの高い場所に巣が見られると言われている。

巣は鳥類の中では最大のもので、直径1~2mほどのかなり大きなものがつくられ、陽当たりのよい場所が選ばれる。

雌は3~6個、ふつうは3~4個の卵を産卵し、抱卵は雌雄によって行われる。
卵は30~35日ほど後に孵化し、2ヵ月ほどで巣を離れるが、その後1~3週間ほどの間は、親からの給餌を受けて育つ。

雌雄ともに3~4年ほどで性成熟し、野生下での寿命は25年のものが知られているが、飼育下での寿命は長く、平均35年、長いものは48年ほどの寿命をもっている。


シュバシコウの保護状況・その他

シュバシコウは分布域が広いこともあり、現在のところ絶滅の恐れはないとされている。
一部の地域では個体数が減少しているが、生息数は安定している。

しかし、開発による湿地や農地の減少など、生息地の減少や生息環境の劣化などの影響が心配されている。

尚、シュバシコウには次の亜種が認識されている。

Ciconia ciconia ciconia
ヨーロッパや中東、アフリカ、西アジアなどで繁殖する基亜種

C. c. asiatica
中央アジアで繁殖

また、シュバシコウはドイツやリトアニアの国鳥に指定され、ヨーロッバでは縁起のよい鳥とされている。
赤ん坊を運んでくるという言い伝えもあることから、日本でも「コウノトリが赤ん坊を運んでくる」と言われることがある。

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