ボタンインコはアフリカ南部に分布している小型のインコで、森林などで群れをつくって生活している。 目の周りには、特徴的な白いアイリングあり、全体に鮮やかできれいな色をしている。
ボタンインコの分布域・生息環境 ボタンインコは、タンザニア南部からマラウイ、ザンビア東部、ジンバブエ、モザンビーク北西部など、アフリカ南部に分布している。 森林やサバンナなどに生息している綺麗な鳥で、ペアの仲が非常に良いことから、英名は「Lovebird」と付けられている。 ボタンインコの大きさ・形態 ボタンインコはスズメと同じほどの大きさの小鳥で、平均した体長は14cm程で、インコの中では小さい。 雌雄ともに同色で、全体はオレンジ色と緑色にわかれている。 頭部から首、胸にかけてはオレンジ色で、腹や背側は緑色をしている。 太くて鉤状に曲がった嘴は赤くてよく目立ち、付け根には白い帯が見らる。 また、目の周りには、特徴的な白いアイリングあり、全体に鮮やかできれいな色をしている。 一見するとルリゴシボタンインコとよく似ているが、ルリゴシボタンインコの頭頂部はオリーブグリーンで、尾羽の上面には紫や青色が入っている。 コザクラインコにもよく似ているが、ボタンインコの嘴が赤いのに対して、コザクラインコの嘴はクリームや肌色のような色をしている。 ところで、インコ科のボタンインコ属には9種が知られているが、この内「ボタンインコ」と呼ばれるものは、 ・ボタンインコ (Agapornis lilianae・Lilian's lovebird ) ・キエリクロボタンインコ (Agapornis personatus・Yellow-collared lovebird) ・クロボタンインコ. (Agapornis nigrigenis・Black-cheeked lovebird) ・ルリゴシボタンインコ (Agapornis fischeri・Fischer's lovebird) の4種で、これ以外の「ボタンインコ」と呼ばれるものは、交雑種や色変わりのものになっている。 ボタンインコの生態・生活 ボタンインコは森林や河畔林、サバンナなどに生息していて、普段は群れをつくって生活していて、大きいものだと600羽ほどの群れをつくることもある。 採餌は地上で行われ、主にイネ科の種子をはじめとする草木の種子や芽、花やイチジクなどの果実も食べる。 また、キビなどの穀類も食べるので、時に耕作地で採餌することもある。 丈夫な嘴は噛む力も強く、硬い種子なども食べることができる。 鳴き声は高音で、体の割には思っている以上に大きな声で鳴く。 ボタンインコの繁殖・寿命 野生下でのボタンインコの繁殖についてはほとんど分かっていないが、繁殖期は1~3月と6~7月頃と言われている。 また、繁殖期には緩やかなコロニーをつくり、一夫一婦で繁殖すると考えられている。 自然下での営巣は樹洞などを利用するが、他の鳥が使わなくなった古巣を利用することもある。 また、木の股などに樹皮の細片や小枝、茎などを用いてドーム状のものをつくるとも言われているが、飼育下ではその様な巣をつくるが、野生下でははっきりと確認されていないとも言われている。 飼育下では、雌は3~8個、ふつうは4~5個の白い卵を産み、抱卵は雌によって行われる。 卵は22日前後で孵化し、ヒナは6~7週間ほど巣を離れる。 野生下の寿命は10年程度、飼育下の寿命はそれよりも長く、15年程度と考えられている。 ボタンインコの保護状況・その他 かつては観賞用に乱獲されたり、近年では開発による生息地の開発などにより、ボタンインコの生息数は減少している。 分布域も断片化していて、生息地も国立公園や保護区などに限定されつつある状況になってしまっている。 現在、国際自然保護連合が準絶滅危惧種に指定しているほか、ワシントン条約では付属書IIに記載されていて、取引は厳しく規制されている。 ところで、ボタンインコは「牡丹鸚哥」と漢字表記するが、これは、鮮やかな赤と緑の色が、牡丹の花と葉の緑を思わせることから付けられている。 目のアイリングの様子が、洋服に付ける「釦(ボタン)」を思わせないこともないが、それなら「釦鸚哥」と表記するだろうから、やはり花の牡丹が由来になっているのだろう。 尚、ボタンインコに亜種は認識されていない。 |
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ボタンインコ