ショウジョウトキは全体が鮮やかな朱赤色で、離れていてもよく目立つ。 南アメリカ北部に分布する水辺の鳥で、大きな群れをつくって生活している。
分布域・生息環境 ショウジョウトキはエクアドル東部からコロンビア、ベネズエラを経て、ガイアナ、スリナム、フランス領ギアナ、ブラジルにかけての沿岸部などに分布している。 海岸の干潟や河口、河川や湿地、湖沼などの水辺生息していて、キューバからグレナダに至るカリブ海の諸島で見られることもある。 大きさ・形態 ショウジョウトキは平均した大きさが60cm程で、ほかのトキ類と同様、下向きに湾曲している長い嘴が特徴になっている。 体は雄の方が雌よりもやや大きいが、雌雄ともに同色の鳥で、全体に鮮やかな朱赤色で、翼の先(初列風切)だけが黒い色をしている。 離れていてもよく目立つ鳥で、足はピンク色で、僅かに水かきがある。 また、羽毛の色を除くとシロトキとは大変よく似ていて、両種を同種とする意見もある。 生態・生活 ショウジョウトキはマングローブが茂る湿地や河川、干潟や湖沼、氾濫原などの水辺に生息していて、時には水田なども見られる。 大きな群れをつくって生活していて、主にエビやカニなどの甲殻類や水生昆虫類、水生の無脊椎動物などを食べる。 また、カエルやヘビ、小魚なども食べるほか、果実や種子なども少しは食べる。 採餌は長い嘴を使って水の中を探ったり、地表で隠れている獲物を探し出したりしている。 外敵はネコ科の大型動物や猛禽類などで、危険が迫ると大きな警戒音を上げて群れの仲間に知らせる。 この時、一斉に群れが舞い上がることもあるが、ショウジョウトキは意外と気が強く、雄はヒナや雌を守って外敵を追い払ったりすることもある。 繁殖・寿命 ショウジョウトキの繁殖期にはやや幅があり、ベネズエラなどの北半球では4~8月、ブラジル南東部などの南半球では9~12月にかけて見られる。 この時期には大きなコロニーを形成し、他のトキ類やサギ類と混成のコロニーをつくることもある。 また、ショウジョウトキは一夫多妻で、雄はしばしば複数の雌と交配すると言われている。 巣は水辺近くの樹上につくられ、雄が小枝などの巣材を集め、巣作りは雌が行う。 雌は2~5個の卵を産み、抱卵は雌雄によって行われ、卵は20日前後で孵化する。 育児も雌雄によって行われ、ヒナは2週間ほどで巣を離れるようになる。 6週間を過ぎるころにはうまく飛べるようになり、その後ひと月ほどで独立していく。 また、孵化したヒナは柔らかい黒い羽毛をもっているが、成長に従って赤くなり、1年半ほどで親と同じような赤い色になる。 詳しい寿命は分からないが、飼育下で20年、野生下では15~16年程度と考えられている。 保護状況・その他 ショウジョウトキは、現在のところ生息数が安定していて、絶滅の恐れはないとされている。 しかし、開発による営巣地や生息地の減少、劣化などのほか、乱獲や卵の採取なども問題になっている。 狩猟規制なども行われているが、一層の保護活動などが提唱されている。 尚、ショウジョウトキには亜種は認識されていないが、シロトキと同種とする意見もある。 これは形態や習性が似ていて、飼育下では容易に交雑し、野生下でも両種の混成コロニーなどでは交雑が見られることによる。 しかし、朱色の薄いものや白に朱色が混じるものなどの交雑種に対し、はっきりと色の違いがある両種が歴然としていることから、両種の扱いについては今後の研究が待たれる。 また、ショウジョウトキは、以前はコウノトリ目に属していたが、現在はペリカン目に分類されている。 |
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ショウジョウトキ