コウホソナガクビガメ (チリメンナガクビガメ) さんのプロフィール |
コウホソナガクビガメ (チリメンナガクビガメ) |
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カメ目・ヘビクビガメ科 | ||||
学 名 | Chelodina oblonga / シノニム・Macrodiremys oblonga / Chelodina rugosa / Chelodina siebenrocki / Chelodina intergularis / Macrochelodina billabong | |||
英 名 | Northern snake-necked turtle / Northern Australian snake-neck turtle | |||
分布域 | ニューギニア島やオーストラリア北部 | |||
生息環境 | 河川や池沼、湿原など | |||
甲 長 | 30~35cm 程度 | |||
IUCNによる保存状況評価 / 準絶滅危惧種 (NT) | ||||
コウホソナガクビガメは、インドネシアとパプアニューギニアにかけてのニューギニア島南東部と、オーストラリアのカーペンタリア湾を囲む、ウエスタンオーストラリア州北東部からノーザンテリトリー州北部、クイーンズランド州北部などに分布しているヘビクビガメの仲間で、多くのシノニム(同意語)をもっている。 これまで、本種・コウホソナガクビガメは、ノーザンテリトリー州などに分布する固有種とされ、その他の地域のものはジーベンロックナガクビガメ (Chelodina siebenrocki / Macrochelodina siebenrocki・ニューギニア島) や、チリメンナガクビガメ(Chelodina rugosa / Macrochelodina rugosa・クイーンズランド州など) として独立種とされていだが、その後、本種の模式標本がチリメンナガクビガメのものであることや、ジーベンロックナガクビガメも同種であると判断され、現在、それらのものは本種の亜種としてとらえられている。 この為、本種の学名は、先に確認されていた「Chelodina oblonga」となっているが、これまでの学名も同意語として残っていて、呼称もチリメンナガクビガメなどと呼ばれることがある。 上記のような事情もあり、形態や色彩などは地域や個体によって変化があるが、チリメンナガクビガメの学名であった「rugosa」は、「皺がある」の意味で、背甲には細かい皺があることが多い。 また、背甲は、名前のように、上から見ると細長い卵型をしている。 頭部は大型で幅広く、首は長くて太い。 甲羅の中に首をまっすぐに引っ込めることができず、首を「S」字のように折り曲げて隠す。 また、喉に髭状の突起があるものも見られ、雌の尾は雄よりも短い。 背甲は淡褐色やオリーブブラウン、青味のある灰色や黒っぽいものなど変化があり、暗色の斑があるものも見られる。 腹側もふつうはクリーム色や黄色がかっているが、茶色や暗褐色などのものいる。 一見すると、ニューギニア島南部に分布しているパーカーナガクビガメ(Chelodina parkeri)などとよく似ているが、コウホソナガクビガメの頭部には、パーカーナガクビガメの頭部に見られるような虫食い状の斑などは見られない。 コウホソナガクビガメは、主に河川や池沼、湿原などに生息し、植物が繁茂する砂底や泥底などに多い。 また、汽水域でも見られるが、ほとんど水の中で生活している。 陸に上がることは滅多になく、魚類や両生類などのほか、水生昆虫や甲殻類、貝類などを食べる。 遊泳力は強いが、しばしば岩の下に隠れたり、泥間中に潜んでいたりして、獲物を待っていることが多い。 コウホソナガクビガメの繁殖などについては、地域によって異なっていることもあり、詳しいことは分かっていないが、産卵は9~1月にかけて見られる。 産卵は、水辺から近い開けた場所で見られるが、浅い水の中で行われることもある。 卵の大きさは、雌の体の大きさや産卵数などによって違ってくるが、平均すると35×25mm程度で、一度に10~15個ほどを2~3回産卵する。 産卵後の雌は卵の世話をするようなことはなく、孵化にかかる日数は、気象条件などに左右され、180~230日程と言われている。 生まれたばかりの子どもは甲長35mm程で、雄は3~4年、雌は6~7年程で性成熟するとされているが、成熟は体の大きさにも左右され、雄は14cm、雌は21cm程の甲長になると性成熟するとも考えられている。 また、寿命は15~30年程度と言われているが、これについても、詳しいことは今後の研究に委ねられている。 このほか、近年の開発などによって生息地が減少し、コウホソナガクビガメの生息数も減少している。 現在、国際自然保護連合のレッドリストに準絶滅危惧種として指定されているが、今後の開発による生息地への影響が心配されている。 このページの先頭へ |
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