動物図鑑・オオヒルヤモリ

オオヒルヤモリ(マダガスカルヒルヤモリ) さんのプロフィール



動物図鑑・オオヒルヤモリ

オオヒルヤモリ(マダガスカルヒルヤモリ)

有鱗目・ヤモリ科
学 名 Phelsuma madagascariensis
英 名 Madagascar Day Gecko
分布域 マダガスカル島
生息環境 草原や熱帯雨林など
全 長 25cm 程度

オオヒルヤモリはマダガスカル島に分布しているヤモリの仲間で、別名・マダガスカルミドリヤモリ、マダガスカルヒルヤモリなどと呼ばれることもある。
ヤモリの中では大型で、全長25cm程に成長する。

尾は長く、体長と同じ程度か、それ以上の長さがある。
目は大きいが瞼はなく、目は1枚の透明な鱗で覆われている。

四肢は発達していて、各指の下面には微細な毛状突起が密生し、吸盤の役目を果たしている。
これによって、ヤモリの仲間はガラスのような滑らかな垂直面にも張り付くことができる。

体色は明るい緑色をしていて、頭部や背部には赤やオレンジ色、茶褐色などの斑が散在している。
吻端から目の後方にかけても、赤や茶褐色のような筋が見られ、目の周囲は明るい色で縁取られている。
また、雄は雌に比べると頭部が大きく、体色も雄の方が鮮やかな色をしているが、体色は環境や体調などによって若干変化する。

オオヒルヤモリはマダガスカル島の東部に分布していて、草原や熱帯雨林などに生息しているほか、耕作地などでも見られる。
樹上性で、日あたりのよい場所を求めて木の枝などを移動する。
また、ヤモリには夜行性のイメージがあるが、ヒルヤモリなどと呼ばれるように、オオヒルヤモリは日中に活動する。

標高800m辺りまで見られ、昆虫類や節足動物、小型の爬虫類などを食べるが、果汁や花の蜜などを食べる。
また、主な水分は、葉に溜まる水滴からとっている。

オオヒルヤモリは縄張りを持った生活をしていると考えられていて、同種のほかのものが同じ場所にいるような場合、しばしば争いが起こる。
また、鳥や大型の爬虫類などに襲われると、多くのトカゲのように尾を自切し、相手がこれに気を取られているうちに逃げてしまう。

ところで、ヘビが脱皮するのはよく知られているが、ヤモリの仲間も脱皮をする。
オオヒルヤモリも脱皮をするが、ヘビのように皮を残して脱皮するのではなく、オオヒルヤモリは脱皮した殻は自ら食べてしまうので、ほとんど皮が残ることはない。

繁殖は1~7月にかけて見られるが、多くは2~4月頃に見られる。
また、オオヒルヤモリの繁殖は、およそ2~3ヶ月ごとに行われ、雌は一度に2個ほどの卵を、年に数回産卵する。

卵は47~82日、平均すると55日程で孵化するが、雌雄の性別は卵が温められる温度によって決定されると考えられていて、27~29℃で孵化した卵は雄に、25~27℃のものは雌になると言われている。

雌雄共に1~2年程で性成熟し、飼育下での寿命は約およそ10~15年程と言われている。
また、自然下での寿命は分かっていないが、おそらく6~8年程度だろうと考えられている。

このほか、オオヒルヤモリには次の亜種が知られているが、以前は亜種とされていた P. m grandisは、現在では完全な独立種・Phelsuma grandis(Madagascar Giant Day Gecko)として扱われている。
 ・Phelsuma madagascariensis madagascariensis (Madagascar day gecko)
 ・P. m. kochi (Koch's giant day gecko)
 ・P. m. boehmei (Boehme's giant day gecko)

尚、オオヒルヤモリは、現在のところは絶滅の恐れはないとされているが、森林の伐採や開発などにより生息地が減少し、それに伴って生息数も減少傾向にある。
また、オオヒルヤモリは米国のフロリダ州南部に導入されている。

動物図鑑・オオヒルヤモリ 1動物図鑑・オオヒルヤモリ 2





Private Zoo Gardenは、国内の動物園で会える動物たちを紹介している、インターネット動物園です。
 今後とも園内の充実を図っていく予定ですので、動物図鑑や写真集などとして、是非利用してください。
 このページの先頭へ