バンドウイルカは世界の温帯から亜熱帯、熱帯海域にかけて広く分布しているイルカの仲間で、日本近海でも見られる。 分布域が広いこともあり、幾つかの種や亜種に別けられている。 コモンバンドウイルカ(T.truncatus / Common bottlenose dolphin)は温帯から熱帯域に広く分布していて、普通は本種を指してバンドウイルカと呼ぶことが多い。 広く分布していることから、体色や体の大きさには変化が多く、体色は全体に灰色だが、青っぽいものや茶色っぽいもの、ほとんど黒色に近いものまで見られ、しばしば吻から噴気孔(鼻孔)にかけては黒っぽい色をしている。 また、西部北大西洋に分布しているコモンバンドウイルカには外洋性のものと沿岸性のものが知られていて、外洋性のものは沿岸性のものに比べて体が大きく、体色も暗い色をしている。 体の大きさにも違っていて、沿岸性のものが平均体重190~260kg、体長2.5~2.7mほどであるのに比べて、外洋性のものは体長3.7m程で、体重も450kg、大きいものではで650kg程にも成長する。 亜種には、太平洋に分布しているタイヘイヨウバンドウイルカ(T.t. gillii、或いはT.t. gillii / Pacific bottlenose dolphin)や、黒海に生息しているコッカイバンドウイルカ(T.t. ponticus / Black Sea Bottlenose Dolphin)などが知られている。 また、バンドウイルカの仲間には、インド周辺からオーストラリア北部、アフリカ東海岸や紅海、中国南部などに分布しているミナミバンドウイルカ (T. aduncus / Indo-Pacific bottlenose dolphin)が知られている。 以前はコモンバンドウイルカと同種とされていたが、現在は別の種類とされていて、体色は、背や体側は暗灰色で、腹部は淡い灰色か白色で灰色の斑が見られる。 この他、オーストラリア・ビクトリア州のポートフィリップ湾とギプスランド湖に生息しているバンドウイルカ (T. australis / Burrunan dolphin)も現在は別種とされている。 尚、沿岸性のものと外洋性のものが知られているコモンバンドウイルカについても、これらは別の種類か亜種の可能性があると考えられている。 しかし、いずれにしてもバンドウイルカの仲間は水中生活に適したような長い紡錘形の体型をしていて、食性や習性などもよく似ている。 写真は、いずれもコモンバンドウイルカ。 「バンドウイルカのプロフール」に戻る 鯨目の動物へ / このページの先頭へ |
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バンドウイルカ