シロガオオマキザルはアマゾン盆地を中心にして、ブラジル西部やボリビア北部、ペルー東部、コロンビア南東部、ベネズエラ南部、エクアドルの東部など、アマゾン川の上流域辺りからアンデス山脈より東に分布しているが、コロンビアの北部やエクアドル西部、トリニダード・トバゴなどにも分布している。 小型のオマキザルで、体に比べて頭部は小さく、四肢は細くて長い。 体は雄の方が大きく、大きい雄では体重が5.5kg程のものも見られる。 毛色はふつう赤茶色や黄褐色などをしているが、シロガオオマキザルは幾つかの亜種が知られていて、体色には変化がある。 しかし、肩から胸、顔のまわりは乳白色や白っぽい色をしている。 また、頭頂部は暗い色をしているが、雌ではこの前方に房毛が見られるものもいる。 さまざまな森林地帯に生息していて、湿地帯や川辺の近くでも見られるが、標高2000m程のところにも生息している。 ふつうはリーダーとなる雌雄に率いられた10~30頭ほどの群れで生活しているが、あまり地上に降りることはなく、主として樹上生活をしていて、群れは常に移動している。 主に果実を中心にして木の実などの植物性のものを食べるが、カエルやトカゲ、昆虫や無脊椎動物などの動物質のものも食べる。 一夫多妻で、決まった繁殖期は見られないが、出産の多くは乾季に見られる。 妊娠期間は150~160日程で、普通は1産1子を出産し、育児は群れのメンバーによっても行われる。 雌雄共に3~4年程で性成熟し、雌はその出生群に残っているが、雄はこの頃には群れを離れていく。 外敵は猛禽類や大型のヘビなどで、飼育下での寿命は25年、中には40年を超えたものが知られている。 このほか、シロガオオマキザルは知能も高く、木の洞に溜まった水を飲むために木の葉を使うことが知られていて、使う前には、木の葉の形を水を汲みやすいように変えることも観察されている。 尚、シロガオオマキザルは幾つかの亜種に別けられているが、国際自然保護連合(IUCN)では、次の亜種を確認している。 ・Cebus albifrons albifrons (White-fronted capuchin) ボリビアやブラジル、コロンビア、ペルー、ベネズエラなど ・C.a. cuscinus (Shock-headed capuchin) ボリビアやブラジル、エクアドル、ペルーなど ・C.a. cesarae (Rio Cesar white-fronted capuchin コロンビア ・C.a. malitiosus (Santa Marta white-fronted capuchin) コロンビアのシエラ・ネバダ・デ・サンタマルタ北部 ・C.a. aequatorialis (Ecuadorian white-fronted capuchin) ペルーやエクアドル西部 ・C.a. trinitatis (Trinidad white-fronted capuchin) トリニダード・トバゴ ・C.a. versicolor (Varied white-fronted capuchin) コロンビア シロガオオマキザルは比較的分布域が広いこともあり、現在のところは絶滅などの恐れはないとされているが、一部の地域では食料として狩猟の対象になっているほか、開発による森林伐採などの危機にさらされている。 また、亜種であるC.a. aequatorialisとC.a. trinitatisは生息数が少なく、IUCNでは絶滅危惧種IA類(CE)に指定しているほか、C.a. versicolorも絶滅危惧種IB類(EN)として指定されている。 オマキザル科の動物へ / このページの先頭へ |
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シロガオオマキザル