ドリルはカメルーン西部やナイジェリア南東部、赤道ギニアなどに分布しするオナガザル科のサルで、別名をドリルヒヒと呼ばれる。 体はがっしりとした感じで重々しく、肩の方が腰よりも高く、マンドリルに似た感じがする。 尾は短く、歩く時はこの尾をピンと立てることや、雄の方が雌よりもかなり大きいことなどもマンドリルに似ているが、ドリルの顔は真っ黒で、マンドリルのような鮮やかな顔ではない。 また、鼻面の隆起も一本なので、すぐに見分けることが出来る。 体は雄の方が大きく、雄の平均体重が25kg程であるのに対して、雌では12kg程度と、半分ほどの大きさしかない。 また、平均した大きさはマンドリルよりは少し小さいが、大きい雄だと体重が45~50kg程のものも見られる。 毛色は全身が褐色や灰褐色で、頭部には冠毛があり、頬骨は高く、鼻孔は大きい。 顔の周りは白い毛で囲まれていて、顔の他、臀部にも体毛がなく、青や紫色の皮膚が露出している。 ドリルは低地の森林のほか、河川や沿岸周辺の森林や二次林に生息し、森林地帯から離れることはない。 家族単位か、50頭位までの群れで生活し、この群れは一頭の強力な雄に率いられている。 リーダーの雄は周囲を警戒し、外敵に対してはイヌが吼えるような大きな声で威嚇し、群れの近くに寄ると、石や木切れなどを弾き飛ばして威嚇する。 攻撃性が強く、雄は鋭くて大きな犬歯をもち、これが強力な武器なる。 また、食料が豊富な場合は、群れ同士が集まって、時として100頭を超える群れをつくることもある。 雑食性で、主に果実や木の実、キノコなどの植物質のものを食べるが、昆虫やトカゲ、ヘビ、また、ネズミなども食べる。 木登りも巧みだが、主に地上で採食し、昆虫やトカゲなどをとるときは、岩をひっくり返したり、地面を掘り返したりして探し出す。 また、活動は昼間に行い、夜間は木の上で休む。 ドリルの詳しい繁殖状況は分かっていないが、決まった繁殖期はなく、おそらく一年を通して繁殖すると考えられている。 また、妊娠期間は170~180日程で、出産は12~4月頃と言われている。 雌はふつう1産1子を出産し、生まれたばかりの子どもの体重は700~800g程で、雌雄共に3年半ほどで性成熟する。 外敵はヒョウなどの大型肉食動物で、飼育下での寿命は25~30年程度と考えられている。 このほか、ドリルはアフリカ本土のカメルーンとナイジェリアに分布するMainland drill(M. l. leucophaeus)と、赤道ギニアのビオコ島に分布するBioko drill(M. l. poensis)の二亜種に別けられる場合があるが、いずれも肉を目的とした狩猟や、近年では森林開発などによる生息地の減少などによって、個体数も減少している。 現在、ドリルは国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価によって、絶滅危惧種(EN)としてレッドリストに指定されているが、更なる保護が求められている。 オナガザル科の動物へ / このページの先頭へ |
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ドリル