動物図鑑・アライグマの亜種

アライグマの亜種

アライグマの亜種


動物図鑑・アライグマ
和 名 アライグマ
分 類 食肉目・アライグマ科
学 名 Procyon lotor
英 名 Racoon、North american raccoon、Cmmon raccoon
分布域 カナダ南部から南アメリカ北部辺り
生息環境 主に水辺近くの森林など
体 長 40~70cm 程度
尾 長 20~40cm 程度
体 重 5~25kg 程度
アライグマ(Procyon lotor)はカナダ南部から中央アメリカにかけて広く分布していて、主に森林地帯に生息しているが、環境への適応力が高く、さまざまな環境に生息している。

低木林や河川沿いの雑木林、耕作地周辺などにも生息しているほか、都市部でも見られ、アメリカ合衆国では馴染みある動物として親しまれてもいる。

一方、分布域が広いこともあり、アライグマの大きさや毛色などは地域によって幅があり、多くの亜種が知られている。

アライグマの生態や習性、繁殖や寿命などについてはアライグマの説明ページで紹介しているが、もっとも広く分布している亜種は、基亜種・P. l. lotor と P. l. hirtus で、どちらの毛色も暗い色をしているが、体は P. l. hirtus の方が少し大きい。

他の亜種は毛色や体の大きさ、特徴がよく似ているが、フロリダ半島南部や隣接する諸島などに分布しているものは体が小さく、平均した体重は2~3kg程で、他の亜種とはかなり大きさが違っている。

アライグマの亜種には、次のようなものもが知られているが、更に細分化されることもある。

アライグマの亜種
P. l. lotor (Eastern raccoon)
アライグマの基亜種で、小型で暗色の毛色をしている
カナダのノバスコシア州からニューブランズウィック州南部、ケベック州南部やオンタリオ州南部からアメリカ合衆国のノースカロライナ州やテネシー州東部までに広く分布している
P. l. auspicatus (Key Vaca raccoon)
非常に小型の亜種で、フロリダ南岸沖のキー諸島などに分布
P. l. elucus (Florida raccoon)
ジョージア州南部からフロリダ半島北部辺りの中型の亜種で、暗い毛色をしている
P. l. excelsus (Snake River Valley raccoon)
体が大きい亜種で、ワシントン州南東部やオレゴン州東部、アイダホ州南部やネバダ州、カリフォルニア州北東部など
P. l. fuscipes (Texas raccoon)
テキサス州やアーカンソー州南部、ミシシッピー州やルイジアナ州のほか、メキシコ北東部のコアウイラ州などに分布する亜種
P. l. gloveralleni (Barbados raccoon)
カリブ海にある小アンティル諸島のバルバドス島に分布していた亜種で、暗い毛色で小型の亜種だったが、既に絶滅している
P. l. grinnelli (Baja California raccoon)
カリフォルニア半島南端から半島中央部辺りのサン・イグナシオ辺りまでに分布している亜種で、毛色が淡い大型の亜種
P. l. hernandezii (Mexican raccoon)
メキシコからグアテマラ、ニカラグアなどを経てパナマ北部などに分布する亜種で、大きくて暗灰色の亜種
P. l. hirtus (Upper Mississippi Valley raccoon)
体が大きい暗色の亜種で、ロッキー山脈の東からミシガン湖までに分布していて、南はオクラホマ州南部やアーカンソー州などのミシシッピ川上流域とミズーリ川流域などに分布している。
カナダのマニトバ州南部やオンタリオ州南西部、アルバータ州南東部なも分布するとされている
P. l. incautus (Torch Key raccoon)
フロリダ州キー諸島の南西部の亜種で、かなり淡色の小型亜種
P. l. inesperatus (Matecumbe Key raccoon)
バージニア州南部沿岸からフロリダ州南東沿岸などの亜種で、P. l. elucusに似ているが、頭部は平たく、より小型で灰色の毛色をしている
P. l. insularis (Tres Marias raccoon)
メキシコ、ナヤリット州の西海岸沖にあるトレス・マリアス諸島の亜種で、頭部は大きく、毛は短くて粗い
P. l. litoreus (Saint Simon Island raccoon)
ジョージア州の海岸地帯と周辺の島々に見られる亜種で、中型で黒い毛色をしている
P. l. marinus (Ten Thousand Islands raccoon)
フロリダ南西部やキー諸島などの亜種で、体はかなり小さい
P. l. maynardi (Bahamian raccoon)
バハマのニュープロビデンス島だけに分布する亜種で、小型で暗色の毛色をしている
P. l. megalodous (Mississippi Delta raccoon)
中型の亜種で、頭部は大きく、ルイジアナ州の海岸地域など
P. l. minor (Guadeloupe raccoon)
カリブ海東の小アンティル諸島のグランドテール島とバステール島の亜種で、毛色は暗灰色で小型の亜種
P. l. pacificus (Pacific Northwest raccoon)
カナダのバンクーバー島を除くブリティッシュコロンビア州南西部からアメリカ合衆国のワシントン州北部からオレゴン州西部、カリフォルニア州北西部などに分布する亜種で、毛色の毛色をしている
P. l. pallidus (Colorado Desert raccoon)
コロラド州西部やユタ州北東部、ニューメキシコ州北西部などに分布する亜種で、もっとも毛色が薄いとされている
体はP. l. mexicanusとほぼ同じ大きさ
P. l. psora (California raccoon)
カリフォルニア州南部などの亜種で、アライグマの中では大型でやや黒っぽい
P. l. pumilus (Isthmian raccoon)
P. l. crassidensに似ているが、頭部は短く、幅広くて平たくなっている亜種で、パナマ西部に分布しているが、境界ははっきりしていない
P. l. simus (Short-faced raccoon)
カリフォルニアの亜種で、P. l. excelsusに似ているが、下顎がより深いなどとされている
P. l. vancouverensis (Vancouver Island raccoon)
バンクーバー島だけに分布する亜種で、P. l. pacificusに似ているが、体は小さい

尚、本種・Procyon lotorはアライグマ科・アライグマ属に分類されていて、ふつう「アライグマ」と言えば本種を指している。

しかし、同属には本種の他、カニクイアライグマ(P. cancrivorus / Crab-eating raccoon,、Southern raccoon)とコスメルアライグマ(P. pygmaeus / Cozumel raccoon,、Pygmy raccoon) が知られている。

カニクイアライグマはコスタリカからアンデス山脈の東側の大部分やアルゼンチン北部とウルグアイなどに分布している。

また、コスメルアライグマはメキシコのユカタン半島東海岸沖にあるコスメル島に分布しているが、個体数が少なく、絶滅危惧種(CR)に指定されている。

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