オウギバト

オウギバト さんのプロフィール


オウギバト

オウギバト

ハト目・ハト科
学 名 Goura victoria
英 名 Victoria crowned pigeon
分布域 ニューギニアの固有種
生息環境 熱帯雨林や湿地林など
全 長 70~75cm 程度
体 重 2.0~3.0kg 程度
IUCNによる保存状況評価 / 準絶滅危惧種(NT)

オウギバトはニューギニアの固有種で、頭頂にある大きな扇状の冠羽が特徴になっている。
全体に綺麗な鳥だが、近年は生息数が減少していて、準絶滅危惧種に指定されている。
●分布域・生息環境
●大きさ・形態
●生態・生活
●繁殖・寿命
●保護状況・その他


分布域・生息環境
オウギバトはニューギニアの固有種で、ニューギニア島北部と北西部のビアク島、ヤーペン島に分布している。
地上性の鳥で、熱帯雨林や湿地林などに生息している。


大きさ・形態
オウギバトは尾羽が長く、全長70~75cm程もあり、国内で見られるキジバト(全長30~35cm程度)に比べると倍ほどの大きさがある。
原生のハト類の中ではもっとも大きいと言われていて、全長80cmを超える個体も知られている。

雌雄同色の鳥で、全体に暗い青灰色のような色をしているが、胸は紫色を帯びた赤色のような色をしている。
また、目は赤く、目の周りは黒っぽい色をしている。

しかし、オウギバトの特徴は頭頂に見られる冠羽で、扇状に大きく開き、先端は白い色をしている。
英名では「Victoria crowned pigeon」と呼ばれているが、この冠羽をビクトリア女王の冠に見立てたことによる。


生態・生活
オウギバトは熱帯雨林や湿地林などに生息していて、ペアや小さな群れをつくって生活している。

主に低地で見られるが、沿岸部や河口域でもよく見られるほか、標高600~900m辺りまでの低山地や丘陵地にも生息している。

日中に活動するが、暑い時間帯は休んでいることが多く、早朝や夕方に活発に活動する。
主として地上性の鳥で、採餌も地上で行われる。
多くの時間を採餌に費やしていて、林床などで落下果実や種子などを食べるが、昆虫類やミミズなども食べる。

危険を感じたりすると、まっすぐに樹冠部や大きな木の枝に飛び上がり、あまり長距離を跳ぶことはない。


繁殖・寿命
繁殖期は雨期の終わりから乾季にかけて見られ、繁殖は一夫一婦で行われる。
この時期の雄は、頭を上下に振ったりするディスプレイを行うが、ペアの関係は生涯続くと言われている。

巣は比較的低い樹上につくられるが、巣材は雄が運び、主に雌が巣作りをする。
巣は小枝やヤシの葉、茎などを用いた皿状のもので、雌はふつう1個の卵を産み、抱卵も主に雌が行う。

卵はひと月ほどで孵化し、育児は雌雄によって行われる。
ヒナはひと月ほどで巣を離れるが、その後も3ヵ月ほどの間は親と一緒に生活している。
早ければ雌雄ともに15か月程で成熟し、飼育下での寿命は20~25年程度と言われている。

また、フラミンゴの仲間は「フラミンゴミルク」と呼ばれる栄養のある液体を分泌し、ヒナに口移しで与えるが、ハトの仲間も「ピジョンミルク」と呼ばれる栄養のある物質をそ嚢(そのう)から分泌してヒナに与えている。

ビジョンミルクは雌雄ともに分泌するが、孵化後の数日間はこのピジョンミルクによって成長し、徐々に餌を食べるようになる。


保護状況・その他

近年の開発や森林伐採などにより生息地は減少していて、オウギバトの個体数も減少している。

現在、国際自然保護連合では準絶滅危惧種(NT)に指定しているが、ワシントン条約でも附属書IIに記載されていて、取引などは厳しく規制されている。

尚、オウギバトには次の亜種が認識されている。

Goura victoria victoria
ニューギニア島北西部のビアク島、ヤーペン島に分布する基亜種

G. v. beccarii
ニューギニア島北部に分布

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