リュウキュウキジバトは南西諸島に分布しているキジバトの亜種で、留鳥として一年を通して生息している。 本州などに分布しているキジバトとほとんど変わらず、同じような生活をしている。
分布域・生息環境 リュウキュウキジバトは奄美諸島や沖縄諸島などの南西諸島に分布していて、屋久島でも迷鳥として見られる。 キジバトと同様、低地から山地にかけての森林や疎林などに生息しているが、耕作地や人家の近くにも生息している。 大きさ・形態 リュウキュウキジバトの大きさや形態は本州などに分布しているキジバトとほとんど変わらず、全長は30~35cm程度。 羽毛の色もほとんど同じで、雌雄共に頭部から胸、腹にかけてはやや紫色を帯びたような灰褐色で、首の両側には黒色と青灰色の縞模様がある。 翼には灰黒色に赤茶色の縁取りのあるうろこ模様があるのも同じだが、本州などのキジバトに比べると、リュウキュウキジバトは全体にやや赤みが強く、目の周りの赤い部分がやや大きいなどとされている。 生態・生活 生態や生活の様子も、本州などのものと変わらず、単独やペア、小さな群れで生活している。 平地から山地にかけての開けた森林などに生息しているが、耕作地や集落の近くにも生息している。 また、市街地でも見ることができ、しばしば電線などに留まっている。 採餌はほとんど地上で行われ、主に果実や種子を食べるが、昆虫類やミミズ等などの動物質のものも少しは食べる。 性質はおとなしく、あまり人を恐れないが、カワラバトのように餌をねだってくるようなことはない。 繁殖・寿命 リュウキュウキジバトは一年を通して繁殖するが、主に春から夏にかけて見られる。 繁殖は一夫一婦と言われていて、巣は樹上に小枝などを用いて皿状のものがつくられる。 雌はふつう2個の卵を産み、抱卵は雌雄によって行われる。 卵は14~16日ほどで孵化するが、孵化後4~5日ほどの間は親が巣に留まり世話をし、この間、親はそ嚢(そのう)から「ピジョンミルク」と呼ばれる栄養のある物質を分布してヒナに与える。 フラミンゴの仲間も「フラミンゴミルク」と呼ばれる栄養のある液体を分泌し、ヒナに口移しで与えるが、ハトの仲間もこのピジョンミルクを分泌してヒナに与えている。 ヒナは徐々に親と同じようにものを食べるようになり、14~17日ほどで巣を離れるようになるが、その後も、しばらくは親からの給餌を受けて成長する。 リュウキュウキジバトの性成熟年齢は分からないが、他のキジバト同様、飼育下での寿命は10~20年、野生下での寿命は、長いもので10年程度と言われている。 保護状況・その他 キジバトの仲間は分布域が広く、個体数も多いと考えられているが、リュウキュウキジバトも分布域ではふつうに見られ、現在のところ絶滅の恐れはないとされている。 |
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リュウキュウキジバト