ベニイロフラミンゴ

ベニイロフラミンゴ さんのプロフィール


ベニイロフラミンゴ

ベニイロフラミンゴ
(キューバフラミンゴ)

フラミンゴ目・フラミンゴ科
学 名 Phoenicopterus ruber
英 名 American Flamingo
分布域 メキシコや西インド諸島、南米北部の沿岸部など
生息環境 アルカリ性の湖沼や干潟など
全 長 120~150cm 程度
体 重 2.2~3.5kg 程度

ベニイロフラミンゴは北アメリカに分布している唯一のフラミンゴで、別名・キューバフラミンゴ、また英名のままアメリカフラミンゴと呼ばれることもある。

名前のように、全体に鮮やかな紅色をしたフラミンゴで、アメリカ大陸で見られるフラミンゴ類ではもっとも大きい。
●分布域・生息環境
●大きさ・形態
●生態・生活
●繁殖・寿命
●保護状況・その他


ベニイロフラミンゴの分布域・生息環境
ベニイロフラミンゴは、メキシコのユカタン半島やコロンビア北部沿岸域、ベネズエラからスリナムにかけての沿岸域などに分布している。

また、キューバやバハマ、西インド諸島など、カリブ海を囲むように分布していて、エクアドルのガラパゴス諸島にも分布しているが、カリブ海の西側では見られない。

生息環境はほかのフラミンゴと同様、アルカリ性や塩分濃度が高い湖沼や湿地、汽水域や干潟、沿岸などの水辺で生活している。


ベニイロフラミンゴの大きさ・形態
ベニイロフラミンゴは、平均するとオオフラミンゴよりは少し小さいが、水鳥の中では大型になる。
体長は120〜150cmほどで、アメリカ大陸で見られるフラミンゴの中ではもっとも大きい。

雄の方が雌よりも少し大きいが、体は所謂フラミンゴ型で、長い首と途中で「く」の字のように曲がっている嘴、細くて長い脚など、ほかのフラミンゴ類と同じ形態をしている。

また、フラミンゴの嘴は形だけでなく構造にも特徴があり、下嘴は大きくて深い受け皿のようで、上嘴は小さくて蓋のようになっている。
嘴の中には、「ラメラ」と呼ばれる櫛状の細かい繊毛があり、餌をこしとって食べるのに適したつくりになっている。

羽毛の色は、名前のように、全体に紅色で、鮮やかな色をしている。
翼も紅色をしているが、後ろ縁辺り(初列および次列風切羽)は黒色をしている。

足はピンク色を帯びていて、曲がった嘴も紅色やピンク色をしているが、曲がった辺りから先は黒い色をしている。


ベニイロフラミンゴの生態・生活
生態や生活の様子なども他のフラミンゴによく似ていて、ベニイロフラミンゴも大きな群れをつくって生活している。

湖沼や湿地、汽水域や干潟、沿岸などの水辺で見られるが、生息地の水や土壌は強いアルカリ性や濃度が高い塩分を含んでいる。

餌はプランクトンや小型の甲殻類、水生昆虫や藻類、藍藻類、植物片などで、頭を逆さまにするようにして嘴を水中に沈め、餌は水や砂泥と一緒に吸い込んでしまう。
そのあと水を出し入れし、嘴の中で餌だけをこしとって食べる。

飛び立つときには風に向かって少しばかり走らなければならないが、飛行中は長い首と足を伸ばし、翼をほぼ羽ばたかせている。
また、鳴き声はガチョウのようで、大きな声で鳴く。


ベニイロフラミンゴの繁殖・寿命
ベニイロフラミンゴの繁殖期は5~8月頃で、コロニーのような大きな群れで行われる。
この時期には、雌雄ともに首振りや羽を広げるなどの求愛ディスプレイを見られ、繁殖は一夫一婦で行われるが、しばしば一夫多妻も見られる。

営巣は水深の浅い水辺が選ばれ、砂泥や堆積物などを利用して、上部が平らな円錐状の巣をつくる。

雌は稀に2個の卵を産むが、ほとんどの場合1個の卵を産み、抱卵は雌雄によって行われる。
卵は1ヵ月前後で孵化し、1週間ほどの間は、巣に留まって親からの給餌を受ける。
その後、ヒナはヒナ同士が集まる群れに入り、3ヵ月ほどの間はそこで生活している。

この頃までは親の給餌を受けて育つが、3ヵ月を過ぎるころには飛べるようになり、やがて独立していく。
また、孵化したばかりのヒナは灰色の羽毛をしているが、巣立ちから2~3年経つと成鳥の色と同じような色になる。

この頃には成熟するが、完全に性成熟するには、雌雄ともに5~6年ほどかかり、この頃までは繁殖しない。

寿命は長く、飼育下では40~50年、野生下では30年ほどの寿命があると言われている。


ベニイロフラミンゴの保護状況・その他

ベニイロフラミンゴは個体数が安定していると考えられていて、国際自然保護連合などでは、現在のところ絶滅の恐れはないとしている。

しかし、生息地の開発や水質汚染などが心配されていて、ワシントン条約では付属書Ⅱに記載されていて、取引などは厳しく規制されている。

尚、ベニイロフラミンゴはオオフラミンゴなどと近縁であることから。以前はオオフラミンゴと同種とされていたが、現在は別種として扱われている。

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