アカコンゴウインコ

アカコンゴウインコ さんのプロフィール


アカコンゴウインコ

アカコンゴウインコ

オウム目・インコ科
学 名 Ara macao
英 名 Scarlet Macaw
分布域 メキシコ南東部から南アメリカ
生息環境 熱帯雨林など
全 長 80~95cm 程度
体 重 1~1.2kg 程度

アカコンゴウインコは南アメリカなどに分布している大型のインコで、単に「コンゴウインコ」と呼ばれることもある。
全体に鮮やかな鳥で、動物園などで飼育されていると、必ず目に留まる。

●分布域・生息環境
●大きさ・形態
●生態・生活
●繁殖・寿命
●保護状況・その他


アカコンゴウインコの分布域・生息環境
アカコンゴウインコは大型のインコで、メキシコ南東部から中央アメリカを経て、ペルーやエクアドル、コロンビアやボリビア、ベネズエラ、ブラジルなどの南アメリカ北部にかけて分布している。

アマゾン川流域でもっともよく見られるが、南アメリカではアルゼンチン北東部辺りまで分布していて、カリブ海のトリニダード島や太平洋のコイバ島でも見られる。

標高1000m辺りまでの熱帯雨林に生息していて、樹冠部で生活している。


アカコンゴウインコの大きさ・形態
アカコンゴウインコは全長80~95cmほどの大型のインコで、大きいものでは1.2kg程の重さがある。
尾羽の長い鳥で、全長の2分の1から3分の1ほどの長さを占めている。

雌雄ともに同色の鳥だが、全体に鮮やかな色をしていて、ホンジュラスの国鳥にも指定されている。

名前のように、全体に赤色で、背中と翼の中央は黄色をしているが、翼の先端は青色をしている。
どの部分も鮮やかな色で、動物園などでは必ず目に留まる鳥だが、生活している熱帯雨林では、保護色になっているのだろう。

また、頭頂は赤いが、目の周りは白く、目は黄色い色をしている。
鉤状に曲がっている嘴は長くて太く、上嘴は明るい色で、下嘴は暗黒色をしている。

一見するとベニコンゴウインコとよく似ているが、アカコンゴウインコの目の周りにははっきりとした赤い線がなく、翼に黄色い部分があることで見分けることができる。


アカコンゴウインコの生態・生活
時に小さな群れをつくることもあるが、普段は単独やペアで生活している。
一度ペアが形成されると、抱卵時に餌を食べなければならないとき以外は、1羽だけでいることはほとんどない。
飛んでいるときも、ほとんどペアになっているが、夜間は群れをつくって休んでいる。

主に果実や木の実を食べるが、花や花の蜜なども食べるほか、時にタンパク源としてカタツムリや昆虫類などもとらえる。

食べ物をつかんだりするときには片足を使い、もう一方で体を支えているが、足には4本の指があり、2本は前向き、2本は後ろ向きについていて、木の枝なども掴みやすくなっている。

ところで、アカコンゴウインコは、熟す前の果実を食べることが知られているが、これは、他の鳥や動物が食べる前に採餌することによって、食料を得ることに優位になっていると考えられている。

大きくて丈夫な嘴は、未熟で硬い果実や木の実を割ることにも適していて、アカコンゴウインコは多様な木の実などを食べることができることも優位になっている。
この丈夫な嘴は、枝から枝へ移動するときにも使われる。

また、時折川辺で粘土を食べることが知られているが、これは、未熟な果物を食べるときに摂取するタンニンなどの化学物質の消化を助けるためだと考えられている。

成長したアカコンゴウインコは、体が大きいこともあり、ほとんど外敵がいないが、時にタカなどの猛禽類や、ジャガーなどに襲われることがある言われていて、幼鳥はサルや大型のヘビなどに襲われることもある。

鳴き声は大きく、その声は何キロも先まで届くと言われている。


アカコンゴウインコの繁殖・寿命
アカコンゴウインコには決まった繁殖期が見られず、一年を通して繁殖が行われるとされている。
繁殖は一夫一婦で行われ、ペアは一生の間、その関係が続くと言われている。

巣は樹洞などが利用され、雌は2~4個の卵を産卵する。
主に雌が抱卵し、卵は24~25日程で孵化し、育児は雌雄によって行われる。

ヒナは3~4か月ほどで巣を離れるが、その後も長期間に渡って親の元に留まっている。
幼鳥は、長ければ1~2年ほどの間は親と一緒に生活することがあり、雌雄ともに3~4年ほどで性成熟する。

寿命の長い鳥で、飼育下での平均寿命は40~50年、長ければ60年程度と言われているが、最長のものは75年ほどの記録がある。
野生下での寿命も長く、40~50年ほどの寿命があると考えられている。


アカコンゴウインコの保護状況・その他

アカコンゴウインコは分布域が広いこともあり、国際自然保護連合では、現在のところ絶滅の恐れはないとしている。

しかし、森林開発などによって生息地は分断され、繁殖環境の減少に伴って生息数は減少傾向にある。

ワシントン条約では付属書 I に記載されていて、保護対象になっているが、密猟なども後を絶たず、更なる生息地の減少も心配されている。

尚、アカコンゴウインコには、次の2亜種が堪忍されている。

Ara macao macao (South American scarlet macaw):
南アメリカに分布する基亜種で、翼の先端は緑色をしている

A. m. cyanopterus (North Central American scarlet macaw):
中央アメリカなど、基亜種よりも北部に分布し、翼の先は青色をしている

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