マカロニペンギン

マカロニペンギン さんのプロフィール


マカロニペンギン

マカロニペンギン

ペンギン目・ペンギン科
学 名 Eudyptes chrysolophus
英 名 Macaroni Penguin
分布域 南極や亜南極域など
生息環境 繁殖地では沿岸部の岩場や大きな岩礁など
全 長 50~70cm 程度
体 重 5~6kg 程度
IUCNによる保存状況評価 / 絶滅危惧種 (VU)

マカロニペンギンには目の上に黄色やオレンジ色の飾り毛があり、この飾り毛が特徴になっている。
ペンギンの中では個体数が多いと言われているが、国際自然保護連合では絶滅危惧種に指定している。
●分布域・生息環境
●大きさ・形態
●生態・生活
●繁殖・寿命
●保護状況・その他


マカロニペンギンの分布域・生息環境
マカロニペンギンは、南極大陸に近い大西洋側の亜南極域に分布していて、南アメリカではチリ南部やフォークランド諸島、サウスジョージア島やサウスサンドウィッチ諸島、サウスオークニー諸島などで繁殖が見られる。

また、サウスシェトランド諸島北部やブーベ島、プリンスエドワード島やマリオン島、クロゼ諸島、ケルゲレン諸島などを含む南極大陸にも生息している。

南極半島にも繁殖地があり、沿岸部の岩場や大きな岩礁などに生息しているが、繁殖期以外は、オーストラリアやニュージーランド、ブラジル南部や南アフリカ沖の島々などへ移動して生活している。


マカロニペンギンの大きさ・形態
マカロニペンギンは体長50~70cm、体重5~6kgほどの中型のペンギンで、雄はふつう雌よりも少し大きい。

他のペンギン類のように、背側は黒く腹側は白い色をしているが、目の上には後方へ伸びる黄色やオレンジ色の飾り毛があり、これがマカロニペンギンの特徴になっている。
顔や頭部も黒いため、この飾り毛はよく目立つが、赤い目や嘴もよく目立つ。
また、足はオレンジ色で、尾羽も長い。

一見すると太平洋側のニュージーランド周辺に分布しているロイヤルペンギンとは非常によく似ているが、マカロニペンギンの顔は黒色をしているが、ロイヤルペンギンでは白くなっている。


マカロニペンギンの生態・生活

マカロニペンギンは、繁殖期には大きなコロニーを形成して沿岸の岩場などで生活しているが、繁殖期以外はオーストラリアやニュージーランド、ブラジル南部や南アフリカ沖などへ移動し、陸地近くで見られることはほとんどない。

群れになって外洋で魚類や甲殻類を食べるが、主な餌はオキアミで、僅かにイカなども食べる。

ところで、ペンギンの羽はヒレ状になっているが、空を飛ぶ水鳥とは違って、骨は中空ではなく硬くて重いことから、水中での生活に適している。

視力も水中での海の色に適して優れているが、マカロニペンギンも、水中では敏捷に動き回り、水かきのある足で方向転換し、尾を舵のように用いて泳いでいる。

詳しい潜水時間や潜水深度は分からないが、ふつうは2~3分ほどの間潜って採餌するとも言われている。

外敵はシャチやヒョウアザラシなどで、ヒナや卵はトウゾクカモメなどに襲われることもある。


マカロニペンギンの繁殖・寿命
マカロニペンギンは年に一度繁殖し、10月下旬には繁殖地に到着し、非常に大きなコロニーを形成する。

営巣地は岩場や丘陵地帯が選ばれるが、巣は平地の他、斜面にもつくられる。
巣は岩の窪みや地表を浅く掘ってつくられ、中には草や小石、泥などが敷かれていることもある。

また、コロニーをつくる数は200万羽を超える所もあるとも言われていて、巣はかなり密集している。
密集したコロニーでは、巣の間隔が60~70cm程しか離れていないこともある。

雌は11月上旬ころに卵を産むが、ふつうは2個の卵を産卵する。
しかし、マカロニペンギンの卵は、最初の卵が90~95gほどなのに、2番目の卵は145~155gほどもあって、より大きいという特徴がある。

その事もあって、ふつうは最初の卵を放棄し、あとの1羽だけを抱卵するが、抱卵は雌雄によって行われ、卵は33~37日ほどで孵化する。

ヒナは3~4週間の間は巣に留まっていて、その間は雄が付き添い、雌は毎日餌を運んでくる。
その後、ヒナはヒナ同士が集まる群れの中に入って行き、1~2日ごとに餌を与えられる。

生後60~70日ほどで自立し、海に入って行くようになり、4~5月までに繁殖コロニーを離れていく。

また、雌は5年、雄は6年ほどで性成熟し、野生下では8~15年ほどの寿命があると言われている。


マカロニペンギンの保護状況・その他

マカロニペンギンは、ペンギンの中では個体数が多いと言われているが、いくつかのコロニーでは大幅な減少が観察されていて、全体としては個体数が減少していると考えられている。
その為、国際自然保護連合では、現在、絶滅危惧種(VU)に指定する状況になってしまっている。

繁殖地となる島の多くは保護区として指定されてもいるが、気候変動や漁業による餌の減少が心配されているほか、海洋汚染なども生息環境に影響すると指摘されている。

尚、「マカロニ」の名前は、18世紀のイギリスにあった「マカロニクラブ」という社交場に因んで付けられている。
そのクラブでは、当時のイタリアの流行を取り入れたお洒落な男たちが集まっていて、その髪型に似ていたから「マカロニ」と名付けられたと言われているが、いずれにしても、マカロニペンギンの飾り毛はよく目立つ。

また、近縁のロイヤルペンギンとはよく似ていて、両種を同じとする意見もある。

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