ガマグチヨタカの仲間は南アジアや東南アジア、ニューギニア島やオーストラリアなどに分布しているが、オーストラリアガマグチヨタカは、名前のようにオーストラリアに広く分布している。 夜行性の鳥で、一見するとフクロウの仲間のようにも見えるが、口は大きく、足の爪もフクロウのようには曲がっていない。
オーストラリアガマグチヨタカの分布域・生息環境 オーストラリアガマグチヨタカは、タスマニアを含むオーストラリアのほとんどの地域に広く分布している。 砂漠のような乾燥地帯や密林などでは見られないが、森林や疎林、サバンナや樹木のある公園など、様々な環境に生息していて、住宅地の郊外でもよく見られる。 オーストラリアガマグチヨタカの大きさ・特徴 オーストラリアガマグチヨタカの全長は雄で53cm、雌で34cm程で、体は雄の方が大きい。 頭部はずんぐりとしていて、目は大きくて黄色い色をしている。 一見するとフクロウ類に似ているが、オーストラリアガマグチヨタカの目は、フクロウ類のように正面を向いていない。 また、足はフクロウ類のようがっしりとしておらず、足の爪もフクロウのように曲がっていないなどの特徴がある。 しかし、一番の特徴は幅広い嘴と大きな口で、嘴を開くとガマグチのように見えることから「ガマグチヨタカ」と名前がつられている。 英名の「Tawny Frogmouth」も同じ様子から付けられているが、先は鉤状に曲がり、嘴の周りにはヒゲの様にも見える剛毛が生えている。 羽毛は灰色や白、黒や赤褐色などのまだら模様で、全体の様子は枯れ枝や樹木の模様のように見える。 また、羽はフクロウ類のように柔らかく、羽ばたきの音は静かで、夜間に飛ぶのに適している。 オーストラリアガマグチヨタカの生態・生活 オーストラリアガマグチヨタカは開けた森林や疎林を好む傾向があるが、サバンナや住宅地の郊外でもよく見られ、樹木のある公園や庭木にとまっていることもある。 定住性の鳥で、単独やペアで生活していて、群れをつくることはない。 完全に夜行性の鳥でもあり、昼間は木の枝などに隠れて休んでいるが、羽毛の模様は周囲によく溶け込んでいる。 日が暮れると採餌に出かけ、主に昆虫類やクモ類、ミミズやカタツムリ、ナメクジなどを食べるが、時にはカエルやトカゲなどのほか、ネズミなどの小型の哺乳類や小鳥など、より大きな獲物をとらえることもある。 獲物は木の枝などから飛び降りてとらえるが、飛行している蛾などもとらえる。 この時、自動車のライトに照らされた昆虫を追いかけ、車に衝突するという事故が多く起こっている。 外敵はニシキヘビ(カーペットニシキヘビ)やキツネなどだが、危険を感じると嘴を上に向け、ほとんど目を閉じて直立したような姿勢でじっと動かずにしている。 その様子は樹木の模様や木の枝などと同じように見え、非常にうまく擬態していて、見つけるのが難しい。 しかし、外敵が近づいてきたりすると、「シューッ」というような大きな声を上げ、目と嘴を大きく開き、体を大きく見せるようにして相手を威嚇する。 オーストラリアガマグチヨタカの繁殖・寿命 オーストラリアガマグチヨタカの繁殖期は8~12月頃で、ペアの関係はふつう長期間に渡って維持される。 巣は枝や葉などを用いて樹上につくられ、水平に分かれた木の股などにつくられる。 巣作りは雌雄によって行われ、直径20~30cm程のものがつくられる。 この巣は壊れやすい簡単なものだが、手を加えながら毎年使われるとも言われている。 雌は1~3個の卵を産み、抱卵は雌雄によって行われる。 昼間は雄が巣に留まって抱卵し、夜間は雌雄が交代して抱卵する。 卵はひと月ほどで孵化し、育児も雌雄によって行われる。 ヒナはひと月ほどで巣立ちし、寿命は長く、野生下の長いものは14年ほどの寿命をもっていると言われている。 オーストラリアガマグチヨタカの保護状況・その他 オーストラリアガマグチヨタカは広く分布していることもあり、現在のところ絶滅の恐れはないとされている。 しかし、開拓や森林の伐採、激しい山火事などによる生息地の減少が心配されている。 尚、オーストラリアガマグチヨタカには3亜種が認識されている。 Podargus strigoides strigoides オーストラリア東部や南東部、タスマニアなどに分布する基亜種 P. s. phalaenoides オーストラリア北部に分布する基亜種 P. s. brachypterus 西オーストラリア州やクイーンズランド州、ビクトリア州など |
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オーストラリアガマグチヨタカ