カンガルーの仲間はオーストラリアに広く分布しているが、オオカンガルーはオーストラリア東部のクイーンズランド州からニューサウスウェールズ州、ビクトリア州にかけて分布しているもの(M.g.giganteus)と、タスマニア島に分布しているもの(M.g.tasmaniensis)との2亜種が知られている。 オオカンガルーはアカカンガルーと共にカンガルーの仲間では最大で、別名をハイイロカンガルーとも呼ばれている。 また、雄は雌よりもはるかに大きくなり、後足で立ち上がると2mを超え、体重が80kgを超えるようなものもいる。 毛は柔らかく、毛色はふつう灰色や灰褐色などをしているが、茶色や茶褐色など変化がある。 腹部や四肢の内側、尾の下側などは白っぽい。 また、尾は太く、先は黒っぽい。 習性や食性はアカカンガルーと同じで、ふつうは平地の草原や森林、半砂漠の荒地などに10頭ほどの群れをつくって生活しているが、山地などにも生息している。 群れは普通1頭の雄と2~3頭の雌、その子どもたちと2~3頭の若い雄からなっているが、時には群れ同士が集まって大きな群れをつくることがある。 オオカンガルーは昼間に活動するが、日中は木陰などで休んでいることが多く、主に早朝や夕方から夜間にかけて活動する。 草食性で、草類や木の芽などのほか様々な木の葉を食べるが、飼育下では果実なども食べる。 ところで、カンガルーの仲間は、動物園などで見るといつもゆっくりとした動きをしていて、寝ていることも多いようだが、運動能力は優れている。 カンガルーは走る時には後ろ足で跳躍するが、オオカンガルーの跳躍力は優れていて、ひと跳び8m程も跳び、速く駆けるときには13mを超えると言われている。 その高さは1.8m程になると言われ、この時の速さは時速55~60km程にも達する。 平均した行動範囲は0.42平方km程と言われているが、この範囲は生息環境や食糧事情、生息密度などによって大きく変わると考えられている。 オオカンガルーは力も強く、繁殖期の雄同士が争う場合などは、左右の前足で相手をとらえ、強力な後足で相手を蹴り上げる。 この時には、丈夫な尾でバランスをとるようにしている。 一夫多妻で、繁殖期は春から初夏にかけて見られる。 雌の平均的な妊娠期間は34~38日程度で、1産1~2子、普通は1子を出産する。 生まれたばかりの子どもの体重は僅か1g程度だが、自分の力で育児嚢の中に入っていく。 子どもは10~11ヶ月で育児嚢を離れ、1年半ほどで独立する。 野生での寿命は7~10年程度、飼育下ではそれよりも長く、15年~20年程度と考えられている。 外敵はディンゴの他は人間で、生息地では交通事故などに会うことがあるほか、家畜と競合することから駆除されたり、時に食用に利用されたりしている。 しかし、実質的にはオオカンガルーを主に襲う野生動物はいないこともあり、生息数は現在のところは減少しておらず、絶滅の恐れなどはないとされている。 尚、オオカンガルーは英名のままヒガシハイイロカンガルーなどとも呼ばれたりすることがあるが、英名のWestern gray kangaro(学名Macropus fuliginosus)は国内ではふつうクロカンガルーと呼ばれていて、ニシハイイロカンガルーと呼ぶことの混乱を避けている。 カンガルー科の動物へ / このページの先頭へ |
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オオカンガルー (ハイイロカンガルー)