コウライリスは国内に生息しているエゾリス(S.v. orientis)に似ていて、冬毛では耳の先に長毛の房が見られる。 樹上性のリスで、冬でも冬眠することなく、一年を通して活動している。
コウライリスの分布域・生息環境 コウライリスはユーラシア全体に広く分布しているキタリス(ユーラシアキタリス・ Sciurus vulgaris)の亜種で、中国東北部から朝鮮半島、ロシアの遠州地方などに分布している。 主に森林地帯に生息しているが、樹木のある都市部の公園で見られることもある。 コウライリスの大きさ・形態 コウライリスは体長20~28cm程度、体重は250~350g程だが、大きいものは体重が400gを超えるものも見られる。 毛色は季節によって変化があり、夏は茶色を帯びた暗灰色や暗褐色などで黒っぽく、冬には灰色や茶色がかった灰色をしている。 いずれの時期も腹部は白く、耳は大きく、冬毛では耳の先の毛が長く伸びる。 また、尾は長く、樹上でのバランスをとるのに役立っている。 コウライリスの生態・生活 コウライリスは、他のキタリスの仲間と同じで、森林に生息していて、ほとんど樹上生活をしている。 また、樹木が多ければ都市部の公園などでも見られ、日中に活動する。 午前と夕方には特に活発に活動し、ほかのリスと同じで、主に木の芽や木の実などを食べるが、時には小鳥の卵なども食べる。 冬でも冬眠することがなく、一年を通して活動しているが、冬の間の活動時間は短くなり、気温が非常に下がったりしたときには巣に留まっている。 ドングリなどの木の実を蓄えたりすることも同じで、秋にはエサの少ない冬に備えて木の実などを地面に埋めておく習性がある。 外敵は猛禽類や大型のヘビなどだが、コウライリスは動きも敏捷で、多くは子どもが襲われる。 コウライリスの繁殖・寿命 コウライリスの繁殖期は春から夏にかけて見られ、時に年に2回繁殖することがある。 多くは1年に1回繁殖し、繁殖は一夫多妻で行われる。 雌の妊娠期間は38~39日程と短く、1産1~7子、ふつうは3~4子を出産する。 育児は雌が行い、子どもは8~10週程で完全に離乳する。 雌雄共に1年程度で性成熟し、飼育下では10~12年ほどの寿命があるが、野生下での平均寿命は5~6年程度と言われている。 コウライリスの保護状況・その他 コウライリスは、現在のところ生息数が安定していて、絶滅の恐れはないとされている。 しかし、開発などによる生息地の減少が心配されていて、今後の個体数の動向が気に掛けられている。 尚、コウライリスはヨーロッパからアジアにかけて広く生息するユーラシアキタリスの亜種とされているが、別種とみなす説もある。 また、同意語(シノニム)として、S. v. coreae、S. v. coreanus と記述されることもある。 |
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