ヨーロッパバイソンは体高1.8~1.9m程で、ヨーロッパに生息している野生の哺乳類としては最も体が大きい。 体格は雌雄や固体によって差があるが、雄の大きいものでは体長は3mを超え、体重も1,000kgを超えるものもいる。 雌は雄よりも体は小さいが、いずれも毛色は濃茶色、茶褐色などで、頭部から胸にかけては長い毛で覆われている。 全体にがっしりとした感じで、肩がよく発達している。 一見してアメリカバイソンに似ているが、ヨーロッパバイソンの耳は毛の外に見えることから区別ができる。 雌雄ともに角があるが、細長くて、さほど長くはない。 森林地帯やステップ地帯などに生息し、主にシダ類や木の葉、木の枝、樹皮、ドングリなどを食べるが、果実なども食べる。 また、水は毎日のみ、冬場には水溜りの氷を割って水を飲んだり、雪を食べたりして水分を補給している。 群れを成して生活し、時には大きな群れをつくることもあるが、ふつうは多くても30頭程が集まって生活している。 一年を通して雌の群れの中に雄が見られるが、群れは雌を中心として構成され、幼獣や若い雄がその中に見られる。 雄は単独か雄同士の群れを作って生活し、時に雄同士が争うことがあるが、均衡した力の相手とは争いを避けることが多い。 繁殖期は8~10月頃に見られ、妊娠期間9ヵ月前後で、ふつうは1産1子を出産するが、稀に2子を出産する。 生まれたばかりの子どもの体重は平均25kg程で、7~12ヵ月程度の授乳期間がある。 雌雄共に3~4年で性成熟し、飼育下での寿命は20~30年程度。 ヨーロッパバイソンは石器時代の壁画などにも見られることから、 以前はヨーロッパの大部分からロシアのカフカス地方まで広く分布し、古くから狩猟の対象となっていた。 しかし、アメリカバイソンと同様、肉や毛皮などを目的に乱獲されたため、野生種のものはほとんど残っていない。 第一次世界大戦において、ポーランドとロシアの国境付近に生息していた100頭ほどの野生の群れは絶滅し、1927年にはカフカス地方で保護されていたものも絶滅している。 現在生息しているヨーロッパバイソンは、1922年、52頭程残されていた野性のものを、各地の動物園などで飼育繁殖させたものである。 現在ではすべてのヨーロッパバイソンに血統書台帳が作られているが、野生状態のものは、ポーランドなどの保護区において少数が生息するだけである。 尚、ヨーロッパバイソンは国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価では、絶滅危惧種(VU)としてレッドリストに指定されている。 ウシ科の動物へ / このページの先頭へ |
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ヨーロッパバイソン ( ヨーロッパヤギュウ)