コバルトヤドクガエルさんのプロフィール |
コバルトヤドクガエル |
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カエル目・ヤドクガエル科 | ||||
学 名 | Dendrobates tinctorius "azureus" | |||
英 名 | Blue Poison Dart Frog | |||
分布域 | スリナム南部とブラジルの国境付近 | |||
生息環境 | 湿度のある森林地帯 | |||
全 長 | 3~4.5cm 程度 | |||
体 重 | 3g 程度 | |||
コバルトヤドクガエルは、南アメリカのスリナム南部とブラジルの国境付近に生息しているヤドクガエルの仲間で、世界で最も美しいカエルのひとつと言われている。 ヤドクガエルの中ではやや大型で、体は雌の方が大きい。 背中は中ほどで隆起していて、四肢は細長い。 指はそれぞれに四本もっているが、雌の指の先は丸いが、雄ではハート型になっている。 体色は鮮やかな青色やコバルトブルーなどで、頭部や体には不規則な暗色の斑が散在している。 また、腹側にも、時折濃青色や黒色などの斑や縞模様が見られるものもいる。 ところで、「ヤドクガエル」の名前は、この皮膚からとった毒を吹き矢の先に塗って使ったことから付けられているが、鮮やかな体色は、相手に対する警告にもなっている。 実際、体色は美しく、皮膚も概して滑らかだが、アルカロイド系の毒を分泌する無数の腺がある。 この毒は強力で、相手を麻痺させたり、時には殺すことさえできる。 毒は、主な餌となっているアリから合成されると言われているが、摂取すると人体にも甚大な害を及ぼすと言われている。 一方、この毒は医薬用途のために研究もされている。 コバルトヤドクガエルは、標高320m辺りから430m辺りのサバンナにある小さな森林に生息しているが、この森林は乾燥した草原に囲まれていて、謂わば孤立した環境になっている。 また、夜間は20℃、昼間は22~27℃の範囲で、暖かくて多湿な環境でもある。 暗くて湿った環境を好み、コケで覆われている岩があるような小川の近くで生活し、アリやシロアリ、クモやハエ、昆虫の幼虫などを食べる。 地上性のカエルだが、樹木の上でも、5m程の高さのところで観察されている。 昼間に活動するが、特に朝夕には活発で、短い跳躍をして動き回る。 群れをつくることはなく、普段は単独で生活していて、縄張りをもった生活をしている。 繁殖は雨季に行われ、雌は一度に5~10個ほどの卵を産む。 しかし、繁殖形態は一夫多妻ではないかと考えられているが、詳しいことは分かっていない。 産卵は、岩や倒木の下の湿った場所などで行われ、卵は14~18日程で孵化する。 この間、雄は卵を保護し、適度な湿度を保つなどの世話をするが、しばしば雌も同じような行動が見られる。 孵化した後、雄はオタマジャクシを自らの背中に乗せて、葉の腋窩や樹洞などに溜まった小さな水溜りなどへ移動するが、この際、雌もマダラヤドクガエルのように手助けをすることがある。 また、オタマジャクシは10~12週間程で成体に変態するが、雌はその間、未受精卵を運んできて与えるようなことをする。 雌雄共に2年程で成熟し、野生下での寿命は4~6年程度とされているが、飼育下では長く、10~12年程の寿命をもっている。 外敵はヘビや大型のクモ、オタマジャクシはヤゴ(トンボの幼虫)なども上げられるが、具体的なものは不明で、おそらく毒に対する抗体をもっているものだろうと考えられている。 現在、コバルトヤドクガエルには絶滅の危惧がないとされているが、生息域が限られているため、開発などによる生息地の減少などが心配されている。 また、コバルトヤドクガエルは、ハエやクモ、アリなどのほか、毛虫やダニ、ウジなども食べるので、生息数の減少は根本的な食物網への変化を伴う懸念もあり、さまざまな保護がなされている。 尚、コバルトヤドクガエルは Dendrobates azureus として独立種として扱われていたようだが、現在はガイアナやスリナム、ブラジル北部やフランス領ギアナなどに分布しているアイゾメヤドクガエル(Dendrobatidae tinctorius)の形態的変異とされている。 このページの先頭へ |
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