動物図鑑・スッポンモドキ

スッポンモドキ (ブタバナガメ) さんのプロフィール



動物図鑑・スッポンモドキ

スッポンモドキ (ブタバナガメ)

カメ目・スッポンモドキ科
学 名 Carettochelys insculpta
英 名 Pig-nose turtle / Fly river turtle / Pitted-shelled turtle
分布域 オーストラリア東部、ニューギニア島南部
生息環境 河川や汽水域、池や沼など
甲 長 50~60cm 程度
体 重 20kg 前後
IUCNによる保存状況評価 / 絶滅危惧種 (EN)

スッポンモドキはオーストラリア東部、ニューギニア島南部などに分布しているカメの仲間で、本種だけでスッポンモドキ科を形成している。

スッポンモドキは背甲、腹甲ともに甲板がなく、背甲は盛り上がっている。
背甲の表面には細かい皺があり、哺乳動物の革のような感じがする。
また、一見するとスッポンによく似た感じがするが、スッポンはスッポン科に属している。

背甲の色は灰色や濃灰色、暗緑色などで、腹甲は白や淡い黄色をしている。
頭部や四肢、尾の色も背面が濃灰色や暗緑色で、腹面が白や淡い黄色をしているが、背甲の外縁に沿って、白っぽい斑が並んでいるものも見られる。

甲長は5年を超すものは20cm程になり、体重は15kg前後だが、大きいものでは甲長が70cmを超え、体重は20kgを超えるものもいる。
また、体は雌の方が大きくなる傾向があり、雄の尾は長くて太くなる傾向がある。

吻端は特徴的で、英名(pig-nose)のように鼻孔がブタの鼻ように見えることから、別名・ブタバナガメなどと呼ばれることもある。
四肢の様子も特徴的で、前足の第1、第2指には爪があるが、第3から第5指は長くて、水掻き状になっていて、後肢にも水掻きが発達している。

自然下での詳しい生態などは分かっていないが、スッポンモドキは、水深が浅く、水の澄んだ大きな河川や湖沼などに生息している。
また、汽水域で見られることもあり、泥や砂礫の底質で多く見られる。

ほぼ完全な水棲のカメで、乾季の時の移動や産卵の時以外には陸に上がることはないと言われている。
雑食で、主に水草や藻類、落下果実などの植物質のものを食べるが、昆虫や甲殻類、貝類や魚なども食べる。

繁殖の様子なども分かっていないが、雌は、乾季の夜間に土手や河原などに穴を掘り、産卵するとされている。
孵化は、雨季になって卵が水に浸かるようになったときに起こるとされているが、保温温度32℃を境にして、高い場合は雌が、低いときは雄が生まれると言われている。

自然下での寿命も分かっていないが、飼育下では17年、長いもので38年の報告があると言われている。

このほか、スッポンモドキは、生息地域では食用とされることがあるが、むしろ近年の開発などによる生息地の消失によって、生息数は激減している。

現在、スッポンモドキは国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価によって、絶滅危惧種(EN)としてレッドリストに指定されているが、更なる個体数の減少が心配されている。

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