アカハライモリ さんのプロフィール |
アカハライモリ |
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有尾目・イモリ科 | ||||
学 名 | Cynops pyrrhogaster | |||
英 名 | Japanese fire belly newt | |||
分布域 | 本州や四国、九州など | |||
生息環境 | 水田や小川、沼地や池、湿地帯など | |||
体 長 | 雄で 4~6cm 程度、雌で 5~7.5cm 程度 | |||
全 長 | 雄で 7~11cm 程度、雌で 8~14cm 程度 | |||
環境省レッドリスト / 準絶滅危惧種 (NT) | ||||
イモリの仲間はヨーロッパからアジア、アフリカ北部、北アメリカや中央アメリカの一部などに広く分布しているが、アカハライモリは、本州や四国、九州とその周辺の島々に分布している。 イモリの中ではもっとも北に分布していて、国内ではアカハラや、単にイモリと呼ばれることも多く、日本の固有種でもあることから、ニホンイモリとも呼ばれている。 体つきはトカゲに似ているが、鱗はない。 四肢は短く、前肢に4本、後肢には5本の指がある。 尾は側扁していて体長よりも長く、雌はふつう雄よりも体が大きい。 また、雄では尾の幅が広く、先の方で急にとがるが、雌は尾の幅が狭く、基部より次第に細くなっている。 背面は黒色や黒紫色、暗褐色などで、腹面は赤色やオレンジ色をしているが、ふつうは黒っぽい斑が散在している。 しかし、体色には地域や個体によって変化があり、赤みが強く、背側まで赤っぽいものや、斑がないものなども見られる。 同じ有尾目のサンショウウオ類とは異なり、皮膚はザラザラしているが、アカハライモリはフグ毒と同じテトロドトキシンという毒をもっている。 触れる程度なら害はないが、腹側の色や斑は外敵に対しての警戒色になっていると考えられていて、強い刺激を受けると、鮮やかな腹を見せて示威行動することがある。 また、イモリは体の再生能力が極めて高いが、アカハライモリも、尾を切られても完全に再生することが知られている。 ニホントカゲなどのトカゲ類も尾を再生することができるが、アカハライモリは四肢を切られても再生することができ、眼を失ってもレンズまで再生することができる。 この再生能力の高さから、アカハライモリは医療用の研究に利用されることがある。 アカハライモリは、平地から山地の小川や池、沼などに生息していて、国内ではもっとも多く見られる。 水田や湿地帯などでも見られ、水のあるところの多くの場所に生息しているが、流れの速い流水域では見られない。 また、水草の多い、水の綺麗なところを好む傾向がある。 ほとんどを水の中で過ごしているが、繁殖期以外は、水辺近くの茂みや林の中の湿気の多いところに潜んでいることも多く、降雨の時には水から出て移動することもある。 また、気温が下がる冬季には、水辺近くの落ち葉や石の下などで冬眠するが、水底で冬を超すものも見られる。 主として夜行性で、昆虫類やミミズ、クモ類や貝類などを食べるが、カエルやサンショウウオなど、他の両生類の卵や幼生なども食べる。 繁殖期は4~7月で、この時期の雄は紫色を帯びた婚姻色を表す。 交尾は行われず、雄は求愛行動を行った後、精包(精子嚢)を放出する。 雌は総排出腔から精包を取り込み、体内受精が行われる。 雌は一度に数個~40個ほどの卵を複数回産卵するが、産卵は池や流れのない小川の淵などの浅いところで行われる。 卵は水生植物の葉などに1個ずつ産みつけられる。 孵化した幼生には外鰓があり、四肢は生えていない。 やがて四肢が生えてくるが、外鰓がある間は水の中で成長する。 成長に伴って外鰓は消失し、親と同じような形の幼体となって陸に上がってくる。 幼体は、森林などで昆虫類や陸生の貝類、ミミズなどを食べて成長し、3~5年程で性成熟する。 成熟する頃には再び水中で生活するようになり、寿命は長く、飼育下では15~20年と言われている。 アカハライモリは、水田地帯や里山、山地などの小川や池などではよく見られるが、近年の開発などによって、市街地ではほとんど見られなくなっている。 現在のところ絶滅の恐れはないとされているが、環境省では、準絶滅危惧種(NT)としてレッドリストに掲載している。 このほか、アカハライモリは分布域が広いため、幾つかの地域群に分けられることがあるが、亜種はいないとされている。 また、国内には、本種のほか、奄美大島から沖縄本島にかけてシリケンイモリとイボイモリが分布しているが、アカハライモリは、自然分布していなかった伊豆諸島の八丈島などに移入していて、問題とされている。 尚、イモリは井戸の中にも見られることから、「井守(井戸を守る)」と呼ばれているが、イモリはしばしばヤモリと間違われることがある。 イモリは両生類で鱗がなく、尾は側扁しているが、ヤモリは爬虫類で鱗があり、尾は側扁していない。 また、ヤモリは水に入ることがなく、成長の過程で、イモリのように変態することもない。 |
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