モウコノウマ

モウコノウマ さんのプロフィール


動物図鑑・モウコノウマ

モウコノウマ

奇蹄目 ウマ科
学 名 Equus przewalskii
英 名 Przewalski's Horse / Asian Wild Horse / Mongolian Wild Horse
分布域 モンゴルや中央アジアなど
生息環境 草原地帯など
体 長 1.8~2.4m 程度
尾 長 90cm 程度
体 重 200~300kg 程度
IUCNによる保存状況評価 / 絶滅危惧種 (EN)

モウコノウマは中央アジアの草原に分布している野生の馬と言われていて、英名や学名は、ロシアの地理学者・探検家であるニコライ・プルツワルスキー(Miko?aj Przewalski)に因んで付けられている。
●分布域・生息環境
●大きさ・形態
●生態・生活
●繁殖・寿命
●保護状況・その他


分布域・生息環境
現在、モウコノウマはモンゴルや新疆ウイグル自治区などの保護区に少数が生息しているが、かつてはヨーロッパからアジアの草原地帯に広く分布していたと考えられている。

また、野生下での観察記録は1968年頃を最後に目撃されておらず、その後は「野生絶滅種」として長い間指定されていた経緯がある。

絶滅の原因は家畜との競争や狩猟、戦争などが考えられているが、現在野生下で見られるものは、動物園で飼育されていたものを再導入したものになってしまっている。


大きさ・形態
全体にがっしりとした体格で、頭部は比較的大きくて首も太い。
四肢は短く、タテガミは家畜種のように長くはないが、シマウマのように立っている。
体高は1.2~1.4m程度で、ほとんどの家畜種のウマよりも小さいが、中には体重が380kgほどのものも見られる。

毛色はふつう淡い褐色や茶色で、タテガミや尾などは暗褐色をしている。
鼻や口周りは白っぽく、四肢の前方はしばしば暗色や縞模様のようになっている。
また、冬季には全体に淡い色になり、毛は長くなる。


生態・生活
モウコノウマは草原地帯に生息していて、家族単位の小さな群れで生活しているが、この群れは成熟した一頭の雄に率いられていて、1~3頭の雌とその子どもたちが含まれている。
また、雄は群れを守ったりして群れの全体を率いているが、年長の雌はしばしば群れの中でリーダーシップを現すと言われている。

昼間に活動し、草類や木の葉、樹皮や果実などを食べるが、飼育下では干草や穀類なども食べる。
また、季節によってさまざまな植物質のものを食べるが、栄養分の低い食物を摂食するため、一日の多くの時間を採餌に費やしている。

詳しい群れの行動範囲は分かっていないが、群れ同士の行動範囲は僅かにかつなっているとも言われている。


繁殖・寿命
野生下での詳しい生態や繁殖の様子などは分かっていないが、繁殖期は晩春から初夏にかけてで、主に4~5月頃に見られる。

雌の妊娠期間は11~12ヶ月程で、ふつうは1子を出産する。
子どもは生後1時間以内に立つことができ、数時間ほどで群れと一緒に移動することができるようになる。

授乳期間は8~13か月ほどで、雌雄ともに2年ほどで性成熟する。
この頃までは、雌雄共に群れの中に留まっているが、その後は分散していき、雄は自分の群れをもつまでは、若い雄だけの群れをつくっている。

また、雌は群れの中に残ることもあり、雄は自分の群れをもつまでに、早くても3年、ふつうは5年ほどはかかるとされている。

現在では外敵はほとんどいないが、オオカミだけは外敵として挙げられる。
寿命についてもはっきりと分かっていないが、およそ20年、長くて25年程度の寿命ではないかと考えられている、


保護状況・その他
現在見られる北アメリカのムスタング(マスタング)やオーストラリアのブランビー(ブルンビー)など、ほとんどの野生馬は飼育されていたものが逃げ出して野生化したものだが、モウコノウマはこれまでに家畜化されたことはないだろうと言われていて、唯一の真の野生馬と考えられていた。
しかし、最近では、モウコノウマは飼育されていた家畜種の子孫である可能性があるとも考えられている。

モウコノウマのかつての分布域であったとされているウクライナのデレイフカ遺跡やロシアのフバリンスク遺跡、カザフスタンのボタイ遺跡などからは、多数の馬の遺骨が出土していて、この頃には既に家畜化されていたのではないかと考えられている。

特に、ボタイ文明は紀元前3700~3100年頃に栄えた言われているが、最近の研究により、モウコノウマのDNAはボタイのウマの子孫であることが示唆されている。

また、モウコノウマはプルツワルスキーによって1879年にヨーロッパに紹介されたが、野性のものは1968年頃には絶滅したと考えられている。
現在、野生下で見られるモウコノウマは300頭を超えると言われているが、これら全てのモウコノウマは飼育していたものを再野生化したもので、1945年頃に各地の動物園で飼育していた13頭の内の9頭から繁殖したものとされている。

このような状況により、モウコノウマは完全な独立種(Equus przewalskii)、または野生馬(Equus ferus przewalskii)の亜種、或いは家畜馬(Equus ferus caballus)の亜種など、議論の対象になっていて、分類上の位置も更なる研究が必要となっている。

しかし、いずれにしてもモウコノウマは生息数が少なく、モンゴルや新疆ウイグル自治区、ロシアの保護地区などに生息しているだけで、国際自然保護連合(IUCN)では絶滅危惧種(EN)に指定している。

尚、モンゴルでは「タヒ」、或いは「タキ(Takh /Takhi)」などと呼ばれているほか、モウコノウマは家畜種である「モウコウマ」とは別の種である。

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