アカゲザルはアフガニスタン西部からインド、チベット、ブータン、ネパールから、ミャンマー、中国南部、ベトナム北部やタイ北部などに分布しているオナガザル科のサルで、母系社会で構成された群れで生活している。 アカゲザルはニホンザル程の大きさで、一見するとよく似ているが、アカゲザルの尾はニホンザルよりも長く、体長の30~45%程の長さがある。 体色は分布域によって変化があるが、背面は灰褐色で腰部はオレンジ色がかった赤褐色をしている。 腹面は白っぽいが四肢の先は黒く、顔は淡い紅色をしている。 また、北方のものは、南方のものよりは厚い毛をもっている。 全体にがっしりとした体つきで、雄には大きい犬歯がある。 体も雄の方が雌よりも大きく、雌では平均5.5kg程だが、雄は平均8kg程で、大きい雄では体重12kg程になるものもいる。 主に山地で群れをなして生活しているが、平野部の森林や草原、荒野、湿地林など、様々な環境に適応していて、人の住んでいる村や町に姿を見せることもある。 また、アカゲザルは垂直方向の生息域も広く、標高3000m程のヒマラヤ山系の高地にも生息している。 多くは10~50頭前後の群れで生活していて、日中に活発に活動する。 半樹上性の生活をしていて、果実や木の実、木の根、樹皮、穀類などのほか、昆虫やカエル、トカゲなどの動物質も食べる。 また、地上や樹上でも敏捷だが、泳ぎもうまく、水の中に入ることを厭わず、川を渡って獲物を捕らえたりもする。 群れの数は時に200頭程になることもあると言われているが、ふつうは80~100頭位になると、雌を中心にした新しい群れが構成され、分散していくと考えられている。 一夫多妻で、雌は妊娠期間135~200日、平均すると165日前後で、ふつうは1産1子を出産する。 繁殖期は地域によって大きく異なっていて、決まった時期が見られない地域もあるが、出産は2~3月、9~10月頃に多く見られる。 生まれたばかりの子どもは体重400~500g程で、育児はほとんど雌が行う。 雌は2年半~4年、雄は4~5年で性成熟し、雌は群れの中に留まるが、雄はそれまでに群れを離れていく。 また、雌は2年に1回位の割合で繁殖し、野生での平均寿命は15年程度、飼育下では30年程度考えられている。 子どもの頃はよく慣れるが、成長すると気性は荒くなる。 外敵はヒョウや大型のニシキヘビなどが挙げられるが、子どもはワシなどの猛禽類に襲われることもある。 アカゲザルは分布域が広いこともあり、現在のところ絶滅の危惧はないとされていて、実験動物としても、医学や心理学など、多くの分野に用いられている。 その反面、飼育されていたものが逃げ出したりして、農作物に被害を与えたりするほか、在来種との競合なども懸念されている。 国内でもニホンザルとの競合のほか交雑種も発見されていて、外来生物法で特定外来生物に指定されているが、アメリカ合衆国やメキシコ、ブラジルなどにも移入定着している。 オナガザル科の動物へ / このページの先頭へ |
Private Zoo Gardenは、国内の動物園で会える動物たちを紹介している、インターネット動物園です。 今後とも園内の充実を図っていく予定ですので、動物図鑑や写真集などとして、是非利用してください。 |
このページの先頭へ |
アカゲザル