ダイアナモンキーは中型のオナガザルで、毛色は白と黒にはっきりと分かれている。 尾は体長よりも長く、樹上でのバランスをとるのに役立っている。
分布域・生息環境 ダイアナモンキーは西アフリカに分布しているが、その範囲はシエラレオネ、リベリア、コートジボワール西部などで、分布域は限られている。 森林地帯で群れをつくって生活していて、ほぼ完全な樹上生活をしている。 大きさ・形態 体の大きさは、雄で体長50~62cm程度、雌で42~48cm程度と、雄の方が体が大きいが、雌雄共に体つきはほっそりとしている。 毛色は黒い部分と白い部分がはっきりと分かれているが、黒っぽい部分は暗灰色のような色合いにも見え、背中や後肢の後ろなどは赤褐色をしている。 頬から胸、前肢の内側などは白っぽく、後肢にも白い毛が筋のように生えている。 顔は黒くて、額にも白い毛が見られるが、これが三日月形に見えることから、「ダイアナ(ローマ神話の月の女神)」と名付けられているが、女神・ダイアナがもっている弓に似ているからとも言われている。 また、尾は黒くて体長よりも長く、樹上での生活に役立っているが、歩くときは尾をかかげるようにして歩いている。 生態・生活 ダイアナモンキーは森林地帯に生息していて、ほぼ完全な樹上生活をしている。 地上に降りることはめったに見られず、15~20m程の高さの樹冠部で過ごすことが多い。 また、背の高い樹木が密生した原始林を好み、二次林では見られないと言われている。 普通は1頭の成熟した雄を含む、15~30頭程の群れで生活し、主に木の葉や花、果実や種子、樹脂などを食べるが、雑食性で、昆虫や無脊椎動物なども食べる。 行動範囲は食糧事情や群れの大きさなどによって変化があるが、およそ0.5~1平方km程と言われていて、他の群れとは縄張りを争うが、他の種のサルとは一緒にいることがある。 また、ダイアナモンキーは日中に活動し、夜間は樹冠近くで休むが、巣を作るようなことはない。 外敵はヒョウやチンパンジー、大型のヘビなどだが、樹上生活していることもあり、ワシなどの大型の猛禽類に教われることもある。 外敵が近づくと大きな声をあげて危険を知らせるが、他の動物にとっても、この警戒音で危険が近づいているのを知ることができる。 繁殖・寿命 繁殖は一夫多妻で行われ、決まった繁殖期は見らない。 雌は妊娠期間5ヶ月ほどの後、1産1子、稀に2子を出産する。 子どもはよく発達して出生し、目は既に開いていて、親にしがみつくようなことができる。 子どもは半年ほどで離乳し、雌雄共に3年程で性成熟する。 この頃には、雄は群れを離れていくが、雌はそのまま群れに留まっている。 野生での寿命は20年程度だが、飼育下では30~35年程度の序見ようがあることが知られていて、雌雄ともに寿命は長い。 保護状況・その他 ダイアナモンキーは美しいサルだが、狩猟のほか、森林伐採などによる生息地の減少もあり、生息数は減少している。 現在は国際自然保護連合(IUCN)によって、絶滅危惧種(VU)に指定される状況になってしまっているが、分布域が限られていることもあり、更なる生息数の減少も心配されている。 この他、これまでダイアナモンキーの亜種とされていたふつの亜種C. d. roloway と C. d. dryas は、現在、いずれも独立した主として扱われていて、
とされているが、これらの2種も生息数が減少している。 いずれも絶滅が心配されていて、C. roloway は絶滅危惧種・ENに、C. dryas は更に個体数が少なく、絶滅危惧種・CRに指定されている。 |
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