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バイカルアザラシさんのプロフィール |
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| バイカルアザラシは小型のアザラシで、淡水に棲む世界で唯一のアザラシとして知られている。 季節によって湖の中を移動する生活をしているが、育児は氷の上で行われる。
バイカルアザラシの分布域・生息環境 バイカルアザラシは、ロシアのバイカル湖と、そこから流れる河川におよそ6~9万頭ほどが生息すると考えられていて、バイカル湖の生態系の頂点にあるとされている。 ゼニガタアザラシやワモンアザラシの一部も淡水域に生息しているが、バイカルアザラシは種全体が淡水域に生息している唯一のアザラシとされている。 バイカルアザラシの大きさ・特徴 バイカルアザラシの平均した体長は1.2~1.4m、体重は60~70kg程で、もっとも小さなアザラシのひとつと言われている。 体は雄の方が雌よりも僅かに大きく、雌雄ともに春から秋にかけては体重が3~4割ほども増加するが、繁殖後の換毛期には体重は減少する。 他のアザラシと同様、尾はほとんどなく、耳介(耳たぶ)もないが、バイカルアザラシの目は頭部に対してかなり大きいのが特徴になっている。 これは水中で視覚を頼りに獲物を探す為だと考えられている。 四肢は鰭状になっているが、いずれも5本の指があり、先には鋭い爪がある。 前肢は大きくてよく発達していて、水の中で推進力を得るのに適していて、後肢は梶の役割を果たしている。 体毛は全身が濃い灰褐色で、腹部は少し黄色を帯びたようにも見え、稀に暗色の斑があるものも見られる。 バイカルアザラシの生態・生活 バイカルアザラシは普段は単独で生活していて、季節によって湖の中を移動する生活をしている。 夏の間は湖全体に渡って見られるが、湖が凍結する冬期には北部へ集まり、越冬と繁殖が行われる。 その移動距離は、9月から翌年5月までに400~1600km程を移動することが観察されている。 繁殖期の春になると多くのものが集まり、その数は200~500頭ほどにもなり、夏には湖岸や流氷などに大きな群れが見られるようになる。 また、繁殖の後には新しい毛に生え換わるが、この期間は氷上や岸に上がり、ほとんど餌をとらなくなる。 バイカル湖は、冬には80~90cm程の厚さの氷で覆われるが、湖が氷で覆われている冬季には、氷に開けた呼吸用の空気孔の近くで活動している。 孔の近くには幾つかの補助的な孔もつくられているが、餌の多いような環境では、何頭かが集まり、呼吸用の孔を一緒に使うこともある。 バイカルアザラシは主にカジカやハゼなどの魚類や甲殻類などを食べるが、採餌は夕暮れや夜間に行われることが多い。 昼間は餌となるカジカ類が水深100mよりも深いところにいるが、日が暮れてくると水深10~25m辺りまで上がってくるので、バイカルアザラシはこれを狙って夜間などに採餌することが多い。 この時は主に触覚に頼って採餌しているが、日中では視力によって獲物を捕らえている。 水中ではかなり自由に動き回り、獲物を追うときなどの泳ぐ速さは、時速20~25kmほどにもなると言われている。 バイカルアザラシは潜水能力にも優れていて、潜水時間の多くは10分未満だが、長いときは数十分の潜水が可能だと言われている。 また、バイカル湖の水深は1600~1700m程の深さがあるが、バイカルアザラシは水深400mもの深さまで潜ることができると言われている。 地上や氷上での移動は、アシカ類とは違って後ろ足が後方に向かっているので、地上では後肢を地面につけずに、腹部を地面につけて前肢を使って移動する。 外敵はヒグマが挙げられるが、子どもはアカギツネやワシなどの猛禽類に襲われることもある。 しかし、ヒグマなどに襲われるよりも、人が一番の外敵になっていて、毛皮を目的とした乱獲や漁具による事故なども脅威になっている。 ところで、海から数百キロも離れた湖に、どの様にしてバイカルアザラシが生息するようになったのか、はっきりした事は疑問のままである。 かつてバイカル湖は北極海と繋がっていたと考えられていて、およそ2500~3000万年前に孤立して形成された世界最古の湖と言われている。 バイカルアザラシは、200万年ほど前からバイカル湖に生息していたと考えられているが、バイカル湖がまだ北極海と川で繋がっている時に遡上してきて、その後、淡水に適応するようになったと考えられている。 バイカルアザラシの繁殖・寿命 バイカルアザラシの繁殖期は4~6月ころで、繁殖は一夫多妻で行われる。 交尾は水中で行われ、雌は妊娠期間9ヶ月ほどで、ふつう1産1子、時に双子や、非常にまれだが3~4子を出産することもある。 出産は2~3月頃に見られ、氷上にドーム状につくられた巣穴の中で出産する。 巣は長さ4~5m、幅2m程のもので、生まれたばかりの子どもの体長は65~70cm程で、3~4kg程の体重がある。 体は長くて白い毛で覆われているが、6~8週間ほどで成獣のような毛色に生え換わる。 育児は雌によって行われ、子どもは巣穴の中で育てられ、2~3ヶ月ほどの間は授乳される。 その後は徐々に魚やカニなどの甲殻類を食べるようになり、氷が解ける頃には独立していく。 雄は4~7年、雌は3~6年で性成熟するが、雄はやや遅く、4~7年ほどで性成熟する。 また、バイカルアザラシの寿命は他のアザラシよりも長く、50年を超すと言われているほか、雌は雄よりも長生きする傾向がある。 バイカルアザラシの保護状況・その他 バイカルアザラシは、かつては毛皮や食用を目的とした乱獲が行われていて、以前は国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価によって準絶滅危惧種(NT)としてレッドリストに指定されていた。 現在は「少なくとも懸念(LC)」とされていて、生息数は持ち直しているが、開発や水質汚染、漁業との問題など、今後の課題も残されている。 |
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