キノボリジャコウネコは、セネガルからギニア、コートジボワール、ナイジェリアなどを経て、東へは中央アフリカ共和国やスーダン南部、南へはコンゴ民主共和国やアンゴラ、ザンビアやジンバブエ南部などに至る、所謂熱帯アフリカに幅広く分布している。 毛色は黄色を帯びた灰褐色から褐色、赤褐色などと変化があり、毛は比較的短いが密生している。 首には3本程の暗い縞があるが、背部などには多くの暗い斑が縞のように並んでいる。 尾は長く、体と同じほどの長さで、多くのリング状の縞が見られる。 また、体のわりに足は短く、全体にイエネコに似た感じもする。 下腹部と四肢の第3指と第4指の間には臭腺があり、縄張りには樹木などに臭いをつける習性がある。 ジャコウネコの仲間には樹上性のものと地上性のものがいるが、キノボリジャコウネコは多くの時間を樹上で生活し、森林地帯に生息している。 主に一年を通して果実が豊富な熱帯雨林に生息しているが、落葉樹林や低地の熱帯雨林、サバンナの森林地帯や水辺の森林、山岳地帯の二次林など、およそ標高2000mまでの様々な森林に適応している。 また、森に隣接した耕作地などにも姿を見せるほか、時には農家の屋根裏などで寝ていることもある。 普段は単独で生活しているが、食べ物が豊富なところでは、10~15頭程が集まることも観察されている。 夜行性で、昼間はほとんど活動せず、木の洞や木の又などで休んでいる。 体色は保護色にもなっていて、じっとして休んでいると見つけるのは難しく、日の出前の3~4時間や日が暮れた後の3~4時間ほど活発に活動する。 詳しい行動範囲などは分かっていないが、縄張りをもった生活をしていて、雌よりも雄の方が行動範囲は広く、その中には複数の雌の行動範囲が含まれていると考えられている。 主にイチジクやプラムなどの果物類を食べるが、ヤシの実やトカゲ、小型のげっ歯類なども食べる。 また、キノボリジャコウネコは主として樹上で生活しているので、鳥や鳥の卵、昆虫、コウモリなどもよく捕らえるほか、時にはニワトリや七面鳥の他、ヒツジやヤギの子どもなどの家畜を襲うこともある。 キノボリジャコウネコは前足を巧みに使って獲物などをとらえたりするが、その動作はアライグマのような器用さで、果実なども直接噛み付くのではなく、前足でつかみ取って食べるようにする。 外敵はヒョウなどがあげられるが、キノボリジャコウネコは気が荒く、イヌを殺してしまうと言われている。 一夫多妻で、繁殖は3~8月の雨季の間に行われ、この間に2回繁殖することもあると言われている。 平均した妊娠期間は64日程で、1産1~4子、普通は2子を出産する。 出産は樹洞などで行われ、生まれたばかりの子どもの体重は50~60g程で、2ヵ月程の授乳期間がある。 雌雄共に3年程で性成熟し、飼育下での寿命は15年程度、長くて20年程と考えられている。 このほか、キノボリジャコウネコは次のような亜種が知られているが、キノボリジャコウネコを独立したキノボリジャコウネコ科として扱うこともある。 ・Nandinia binotata binotata ・N.b. arborea ・N.b. gerrardi ・N.b. intensa 現在のところ、絶滅の恐れはないとされているが、狩猟の対象になっていたり、地域によっては生息地が著しく減少しているようなところもある。 尚、国内のジャコウネコの仲間には、ハクビシンが生息している。 ジャコウネコ科の動物へ / このページの先頭へ |
Private Zoo Gardenは、国内の動物園で会える動物たちを紹介している、インターネット動物園です。 今後とも園内の充実を図っていく予定ですので、動物図鑑や写真集などとして、是非利用してください。 |
このページの先頭へ |
キノボリジャコウネコ