フォッサはマダガスカルマングース科に属する哺乳類で、マダガスカル島の固有種とされている。 体は細いががっしりとしていて、木登りもうまい。
分布域・生息環境 フォッサはマダガスカルの森林地帯全体に分布していて、低地から山地まで、広く生息している。 マダガスカルでは最大の肉食獣として知られていて、島内では食物連鎖の頂点に立っている。 大きさ・形態 フォッサは、一見すると小型のピューマなど、ネコ科の動物のように見えることから、かつてはネコ科として扱われていたこともあった。 その後、ジャコウネコ科に分類されていたが、現在では独立したマダガスカルマングース科として分類されている。 体つきはほっそりとしているが、全体にがっしりとしていて、重々しい感じがする。 耳は大きく、吻はイヌ科ほどではないが突き出ている。 尾は長く、体長と同じくらいか、それよりも長い。 また、尾の付け根には臭腺があり、縄張りを主張する際や、驚いたときなどは臭いにおいを出す。 爪は少しは引っ込めることができるが、ネコ科の多くのものと違って、完全に引っ込めることはできない。 また、フォッサはネコ科のものとは違って蹠行性で、歩くときはクマやアライグマ、ハナグマなどのように、足の裏すべてを地面に付けて歩く。 毛色はふつう赤褐色や暗褐色で、柔らかくて短い毛が密生している。 時に全身が黒いものも見られるが、斑や縞などはなく、腹側は淡い色をしている。 生態・生活 フォッサは森林地帯に生息しているが、熱帯雨林で多く見られ、乾燥林の中でも湿気の多い場所を好む傾向がある。 また、標高1500m辺りまで生息しているが、標高2000m辺りでも観察されている。 主として夜行性と言われているが、フォッサは昼夜共に活動する。 日中は樹洞や木の又、岩穴などで休んでいることが多いが、早朝や夕暮れには活発に活動し、夜間にも動き回る。 地上で活動することも多いが、樹上性が強く、木の上でも敏捷に動き回る。 普段は単独で生活していて、雌雄ともに縄張りをもった生活をしている。 行動範囲は食糧事情などによって変化するが、マダガスカル西部のキリンディの森では、雌が13平方km、雄は26平方km程度と言われていて、1日に2~5km程を移動すると考えられている。 視覚や聴覚、嗅覚はともに優れていて、ネズミなどの小動物やキツネザルなどを捕らえるが、昆虫類や爬虫類、両性類や鳥類なども食べる。 家畜や家禽などを襲うこともあり、天敵がいないためか、性質は荒いと言われている。 また、キツネザルを襲うときに、2~3頭が協力して狩りをすることも観察されている。 繁殖・寿命 フォッサの繁殖期は9~10月頃で、この時期には4~8頭程が集まり、小さな群れをつくる。 雌雄共に複数のものと交配し、交配は地上で行われることもあるが、多くは、15~20m程の高さの樹上の、水平に伸びた幅の広い枝の上で行われるとされている。 雌は妊娠期間90日程で、1産1~6子、ふつうは2~4子を出産する。 出産は、洞窟や岩の隙間、シロアリの塚や木の窪みなどで行われ、生まれたばかりの子どもの体重は100g程で、白や灰色をしている。 目は閉じていて、生後2週間ほどで開くようになる。 授乳期間は4ヶ月程で、子どもは1年程で独立できるようになる。 生後2年ほどで母親から離れていき、3~4年程で成獣と同じ大きさに成長する。 この頃には性成熟し、野生下での寿命は分かっていないが、飼育下での寿命は20年程度と考えられている。 保護状況・その他 フォッサには外敵はいないが、森林の伐採や農地開発による生息地の減少などに加え、狩猟や害獣としての駆除などにより生息数は減少している。 現在、国際自然保護連合では絶滅危惧種(VU)に指定しているが、更なる森林の開発などによる、生息地の減少が心配されている。 |
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