シロクロゲリはアフリカ南部に分布しているチドリの仲間で、名前のように、羽毛の色は白と黒にはっきりと分かれている。 国内で見られるケリよりはやや小さいが、生活の様子などは似ている。
シロクロゲリの分布域・生息環境 シロクロゲリはケニアからタンザニア中央部、アフリカ南部や南西部にかけて広く分布している。 湿地帯や湿気のある草地、湖沼や河川周辺などに生息しているが、干潟や牧草地などにも生息している。 しかし、砂漠などの乾燥地帯や森林地帯には生息していないので、分布域は必ずしも連続していない。 シロクロゲリの大きさ・特徴 シロクロゲリは全長30cm程で、国内で見られるケリよりはやや小さい。 羽毛が白・黒・灰色にはっきりと分かれていることが特徴で、離れていてもよく目立つ。 頭頂から嘴にかけては白いが、顔から胸にかけては黒色で、嘴も黒いが目は赤い色をしている。 また、足は細長くて黒から灰色で、翼も黒と灰色にはっきりと分かれている。 シロクロゲリの生態・生活 シロクロゲリは湿地や湿気のある草地、湖沼や河川周辺などに生息していて、開けた環境を好み、森林や山地などでは見られない。 非繁殖期には群れをつくって生活していて、時には500羽ほどの大きな群れをつくることもある。 採餌は水辺や水深の浅い水の中で行われ、昆虫類や水生・陸生の無脊椎動物、甲殻類などを食べる。 また、時には牛などの糞を突いて隠れている昆虫などを探し出したりすることもあるほか、種子などを食べることもある。 定住性の鳥で、餌が少なくなったりすると移動するが、渡り鳥の様な定期的な移動はしない。 外敵は猛禽類などだが、外敵が近づいてくると大きな声をあげながら翼を広げ、首を伸ばして嘴を相手に向けて威嚇する。 この時の威嚇の声は、ハンマーを打つ高い金属音に似ていることから、英名では「Blacksmith plover(鍛冶屋チドリ)」と呼ばれているが、上空から急降下して威嚇したりして、しばしば外敵を撃退することもある。 しかし、卵やヒナはカラスやジャッカルなどに襲われることもあり、時にはウシなどの家畜が卵を踏み潰すこともある。 シロクロゲリの繁殖・寿命 シロクロゲリの繁殖は一年を通して見られるが、繁殖期は主に7~10月にかけて見られる。 繁殖はふつう一夫一婦で行われ、ペアは巣の周りに縄張りをつくる。 巣は浅い窪みを掘ったりして地上につくられ、草などが敷かれているが、巣はふつう水辺近くにつくられる。 また、巣の周りは小石や貝殻などで囲まれているほか、湿気の多い場所では、卵を湿った地面から離すため、植物の山の上に巣がつくられる。 雌は1~4個、ふつうは3~4個の卵を産卵し、卵は3.5~4.3 × 2.7~3.1mm程の大きさがある。 卵は26~33日ほどで孵化するが、抱卵は雌雄が交代して行う。 孵化したヒナは数時間ほどで巣を離れ、その後、親に付いて採餌するようになる。 ヒナは2ヵ月ほど独立するが、次のヒナが孵化するまでは親と一緒に生活している。 飼育下での寿命は10~15年、長いもので18年程度と言われている。 シロクロゲリの保護状況・その他 シロクロゲリは分布域が広いこともあり、現在のところ絶滅の恐れはないとされている。 環境によく適応していて、耕作地や牧草地などの開発とそれに伴う人工池や人工湿地などの増加により、シロクロゲリの生息地や営巣地も増加し、乾燥地帯でも個体数が増加傾向にあると言われている。 |
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シロクロゲリ