キガシラコンドルは、サバンナハゲワシとしても知られ、中・南アメリカに分布している。 コンドルの中では小型だが、翼を広げると150~165cmほどの長さがある。
キガシラコンドルの分布域・生息環境 キガシラコンドルは、メキシコからグアテマラやホンジュラスなどの中央アメリカを経て、南アメリカまで広く分布している。 主に低地の湿潤な草原や湿地、氾濫原やマングローブ林周辺などに生息しているが、乾燥した草原や疎林などで見られることもある。 キガシラコンドルの大きさ・特徴 キガシラコンドルは体長55~65cm、体重は950~1500g程で、コンドル類の中では小型だが、クロコンドルと同じほどの大きさになるものも見られる。 翼は長くて幅広く、とまっているときは尾羽よりも長く見える。 足の指は長く、基部には小さな水かきが見られる。 羽毛の色は雌雄ともに同じで、全体に光沢のあるやや緑色がかった黒色だが、顔から頭頂にかけては裸出していて、オレンジ色にピンク色や青色の斑があるのが特徴になっている。 この裸出している部分の色は変化すると言われていて、死肉に集まるときや繁殖期などでは、優位を示すために濃い色になると言われている。 嘴はピンク色で太く、先端は鉤状になっているが、鼻孔がかなり大きくなっているのも特徴で、よく目立つ。 また、コンドルの仲間は鳴き声を上げる鳴管と呼ばれる器官とそれに関連する筋肉をもっていない。 この為、キガシラコンドルもほとんど鳴かず、うなり声やシューッという音、繁殖期にはゼーゼーというような音を発する程度になっている。 キガシラコンドルの生態・生活 キガシラコンドルは、主に低地の草原やサバンナなどに生息しているが、氾濫原や湿地帯によく現れ、湿潤な場所を好む傾向がある。 夜間は群れをつくって休むが、餌を探すときは単独で行動し、群れでいることはほとんど見られない。 飛行時には滑空するように飛ぶが、大きな翼を利用して上昇気流に乗って高度を上げ、十分な高度に達すると、ゆっくりと高度を下げながら滑空し、その後、再び上昇気流に乗って高度を上げる。 餌を探すときは低空を飛び、地上から数メートルほどの高さを飛ぶことが多いとも言われている。 他のコンドルのように、キガシラコンドルはほとんど動物の死肉を食べて生活している。 哺乳類をはじめ、爬虫類や両生類、魚類など、さまざまな死肉を食べるが、時には生きた魚やカエルなどの両生類、昆虫類などを食べることもある。 餌を探すときは、視覚によっても探し出すが、ヒメコンドルと同様、キガシラコンドルの嗅覚は優れていて、小さなげっ歯類や小鳥などの死肉も探し出すことができると言われている。 コンドル類は死肉を食べることから嫌われることが多いが、このような鳥がいないと死肉は腐敗し、病原体の発生などにつながるため、自然下では重要な役割を果たしている。 また、コンドルの仲間は日光浴を好み、特に早朝などには大きな翼を広げて太陽の方へ向かう様子が観察される。 外敵は、イヌ科やネコ科の動物や猛禽類などが卵を襲うことがあると言われている。 キガシラコンドルの繁殖・寿命 キガシラコンドルの繁殖期は地域によって異なっているが、詳しい繁殖の様子などは分かっていない。 巣は樹洞や洞窟、崖の隙間などを利用するが、実質的な巣作りは行わず、地面に直接産卵する。 雌は1~2個の卵を産み、抱卵期間は40日ほどと言われている。 ヒナは2~3月ほどで巣立ちするようになるが、それよりも長いこともある。 また、キガシラコンドルの寿命については、飼育下、野生下ともに詳しいことは分かっていない。 キガシラコンドルの保護状況・その他 キガシラコンドルは、分布域が広く、個体数は安定していると考えられている。 地域によってはふつうに見られ、現在のところ、絶滅の恐れはないとされている。 尚、キガシラコンドルには2亜種が知られている。 Cathartes burrovianus 南アメリカの低地に生息する基亜種 C.b. urubitinga 基亜種よりも体が大きい |
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キガシラコンドル