チリーフラミンゴ

チリーフラミンゴ さんのプロフィール


チリーフラミンゴ

チリーフラミンゴ

フラミンゴ目・フラミンゴ科
学 名 Phoenicopterus chilensis
英 名 Chilean flamingo
分布域 南アメリカの南部など
生息環境 アルカリ性の湖沼や干潟など
全 長 100~135cm 程度
開翼長 125~155cm 程度
体 重 2.5~3.5kg程度
IUCNによる保存状況評価 / 準絶滅危惧種(NT)

チリーフラミンゴは南アメリカに分布している大型のフラミンゴで、アルカリ性の湖沼や湿地、汽水域や沿岸域などに生息している。

足は灰色がかった黄色のような色をしているが、関節部分と水掻きは鮮やかなピンク色をしている。
●分布域・生息環境
●大きさ・形態
●生態・生活
●繁殖・寿命
●保護状況・その他


チリーフラミンゴの分布域・生息環境
チリーフラミンゴは、南アメリカの南部などに分布していて、ペルー中央部からボリビア、ウルグアイを経てブラジル南部にかけて分布している。

チリやアルゼンチンなどにも分布していて、水深の浅いアルカリ性の湖沼や湿地、汽水域や沿岸域などに生息していて、海抜0mから標高4500m程もあるアンデス山脈の高地でも見られる。


チリーフラミンゴの大きさ・形態
チリーフラミンゴは、翼を広げると125~155cm程もある大型のフラミンゴ類で、体は雄の方が雌よりも少し大きい。

他のフラミンゴ同様、頭が小さく、体に対して首が長い。
足は長く、しっかりとした水掻きがあり、砂泥の中で体を支える役目を果たしている。

嘴は途中で大きく曲がっていて、「く」の字のようにも見える。
この嘴は独特で、下嘴は大きくて深い受け皿のようで、上嘴は小さくて蓋のようになっている。
更に、嘴の中には「ラメラ」と呼ばれる櫛のような構造になっていて、餌を濾しとって食べることに適したものになっている。

羽毛は全体に淡いピンク色で、オオフラミンゴに比べると、より白に近く、僅かにピンク色をしている。
しかし、翼は朱色で、後方部分(風切羽)は黒い色をしている。

また、足は灰色がかった黄色のような色で、踵にあたる関節部分ははっきりとしたピンク色をしている。

一見するとオオフラミンゴなどによく似ているが、この関節の赤い部分で見分けることができるが、チリーフラミンゴは水掻きもピンク色をしている。

また嘴は白っぽくて淡い色をしているが、ちょうど曲がった辺りから先は黒い色をしている。


チリーフラミンゴの生態・生活
チリーフラミンゴの生態や生活は、他のフラミンゴとよく似ている。
湖沼や湿地、汽水域や海岸などに生息しているが、生息地の水や土壌は強いアルカリ性や塩分を多く含んでいる

大きな群れをつくって生活していて、時には数千羽ほどの大きな群れをつくることもある。

食性も他のフラミンゴと同様、プランクトンや水生昆虫、小型の甲殻類や藍藻類、珪藻類、水生植物などを食べる。
採食は嘴を水面につけ、プランクトンなどの餌を水や泥などと一緒にすくい、独特の構造をしている嘴で濾して食べる。

また、チリーフラミンゴの生息地は、強いアルカリ性や塩分を含んでいるため、ほとんど植物が育たず、砂漠のようになっている。
その為、周辺には大型動物がほとんど見られず、人が一番の外敵と言われていて、卵の採取や狩猟が脅威になっている。


チリーフラミンゴの繁殖・寿命
チリーフラミンゴには決まった繁殖期がないが、ふつうは晩春に繁殖が見られる。
また、餌の状況に応じて年に1~ 2回繁殖するが、繁殖も大きな群れでコロニーを形成して行われ、交配は一夫一婦で行われる。

営巣は湖沼などの浅いところが選ばれるが、巣は上部が平らになった円錐形で、泥や小石、堆積物などを利用してつくられる。
雌はふつう1個の卵を産み、抱卵は雌雄によって行われる。

卵は30日前後で孵化するが、ヒナの羽毛は灰色で、嘴も曲がっていない。
これは、親から「フラミンゴミルク」と呼ばれる食道から分泌される栄養のある真っ赤な液体を口移しでもらって育つため、ヒナの間は嘴は曲がっていない。

ヒナは1週間ほどの間は巣に留まっているが、その後は他のヒナと群れをつくって生活する。
孵化後65~70日程で嘴が曲がり、3ヵ月を過ぎるころには飛べるようになるが、この頃までは親の給餌を受けて育つ。

巣立ちから2~3年経つと灰色の羽毛が抜け、成鳥の色と同じような色になる。
この頃には成熟するが、完全に性成熟するには、雌雄ともに5~6年ほどかかる。

チリーフラミンゴの寿命については、野生下、飼育下共にあまり分かっていないが、野生下では平均25~30年程度と言われているが、50年程の寿命をもっているとも考えられている。
飼育下での平均寿命は40年程度だが、44年まで生きた個体も報告されている。


チリーフラミンゴの保護状況・その他

ほかのフラミンゴ類と同様、チリーフラミンゴの個体数は減少傾向にあると言われている。

主な原因は、開発による生息地の喪失や採鉱による水質汚染などが挙げられるが、違法な卵の採取や狩猟も問題になっている。

現在、国際自然保護連合(IUCN)では準絶滅危惧(NT)としてレッドリストに指定しているが、ワシントン条約の附属書II表にも記載されていて、取引などは厳しく規制されている。

尚、チリーフラミンゴはベニイロフラミンゴやオオフラミンゴに近縁であり、以前はオオフラミンゴの亜種とされていたが、現在は別種として認識されている。

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