シロムネオオハシは南アメリカ北部に分布しているオオハシの仲間で、大きな嘴が特徴になっている。 熱帯雨林などに生息していて、単独やペア、小さな群れで生活している。
分布域・生息環境 シロムネオオハシはベネズエラ南東部からギアナ、ブラジル北部やボリビアの北部から中央部にかけて分布していて、支流を含むアマゾン川全域に分布している。 森林地帯に生息していて、主に熱帯の湿潤林に生息している。 大きさ・形態 オオハシの仲間はいずれも大きな嘴が特徴になっているが、シロムネオオハシも大きな嘴がよく目立つ。 体は全長50~60cm程もあり、オオハシの中ではオニオオハシに次いで大きい。 体重には430~830g程の幅があるが、平均すると雄で640g、雌は580g程度で、体は雄の方が少し大きい。 また、亜種のR. t. cuvieriは更に大きく、雄の平均体重は700g程もあり、オニオオハシ程の大きさがある。 羽毛は雌雄ともに同色の鳥で、全体に黒が多く、頭頂も黒いが、喉と胸は白く、目の周りは青い色をしている。 胸の下方は帯のように赤く、下尾筒あたりも赤い色をしている。 大きな嘴はやや湾曲していて、上嘴の基部や上部は黄色く、下嘴の基部は青い色をしている。 また、上下の嘴とも、先から中程までは赤っぽく、中程から基部にかけては暗色で黒っぽい色をしている。 この大きな嘴には鋸歯状の縁があり、餌をつかんだり皮を剥ぐのに適している。 生態・生活 シロムネオオハシは熱帯雨林などのよく茂る森林地帯に生息していて、低地に多いが、標高1200m辺りまで見られる。 河川や湖沼など、水辺近くにいることが多いと言われていて、単独やペア、小さな群れで生活している。 主に樹上で果実類を食べるが、昆虫類やトカゲ、小鳥や鳥の卵なども食べる。 飛ぶことは苦手のようで、樹上では枝から枝へと飛び移り、長距離を飛んだりすることはほとんどない。 外敵は大型の猛禽類やジャガーなどで、ヒナや卵はボアなどの大型のヘビに襲われることもある。 危険を感じると、相手を威嚇するように大きな声で鳴き、仲間に危険を知らせる。 繁殖・寿命 シロムネオオハシの繁殖期はふつうは春で、繁殖は一夫一婦で行われると考えられている。 巣は樹木の洞などにつくられるが、古いキツツキ類の巣を利用することもある。 雌は2~4個の卵を産卵し、抱卵は雌雄によって行われる。 卵は14~18日ほどで孵化するが、孵化したばかりのヒナの目を閉じていて、羽毛も生えていない。 3週間で目が開き、羽毛が生えはじめ、6週間ほどの後には巣を離れるようになる。 しかし、その後も数週間は親からの給餌を受けて成長し、雌雄ともに3~4年で性成熟する。 詳しい寿命は分からないが、野生下での平均寿命15年程度と言われている。 保護状況・その他 シロムネオオハシは現在のところ絶滅の恐れはないとされている。 しかし、近年の急激な開発や森林の伐採などにより、生息地が減少しているほか、狩猟なども行われていて、今後の個体数の動向が心配されている。 ワシントン条約では付属書IIに掲載されていて、取引などは厳しく規制されている。 尚、シロムネオオハシには次の亜種が認識されている。 Ramphastos tucanus tucanus ベネズエラ南東部からギアナ、ブラジル北部などに分布する基亜種 R. c. cuvieri コロンビア南東部からベネズエラ、ブラジル西部、ボリビア北部など R. c. inca ボリビア北部から中央部 また、R. c. cuvieri と R. c. inca は、以前は別種とされていたが、容易に交雑することから、現在では Ramphastos tucanus の亜種と考えられている。 |
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シロムネオオハシ