アデリーペンギン

アデリーペンギン さんのプロフィール


アデリーペンギン

アデリーペンギン

ペンギン目・ペンギン科
学 名 Pygoscelis adeliae
英 名 Adelie penguin
分布域 南極大陸の海岸域と周辺の島々で繁殖する
生息環境 繁殖期では海岸に近い岩場の雪のないところで見られる
全 長 60-70cm 程度
体 重 3.5~8kg 程度

アデリーペンギンは中型のペンギンで、コウテイペンギンと共に、ペンギン類の中では最も南に分布している。
顔の大部分が黒く、目の周りの白いアイリングがよく目立つ。
●分布域・生息環境
●大きさ・形態
●生態・生活
●繁殖・寿命
●保護状況・その他


アデリーペンギンの分布域・生息環境
アデリーペンギンは南極地域にのみ分布していて、コウテイペンギンと共に、ペンギン類の中では最も南に分布している。
南極大陸の海岸域と周辺の島々で繁殖し、営巣地は海岸に近い岩場で、雪のないところが選ばれる。

繁殖期以外は南極大陸の沿岸域で群れをつくって生活し、流氷の中で洋上生活をしている。


アデリーペンギンの大きさ・形態
アデリーペンギンはペンギン類の中では中型で、体長は60~70cm程度でフンボルトペンギンなどと同じほどの大きさがある。

雄の方が少しばかり体が大きいと言われているが、大きさで見分けるのは難しいとも言われている。

体重は4~5kg程だが、換羽期などの季節によって変化があり、3.5~8kg程の幅がある。

他のペンギンと同様、背側が黒く腹側が白いが、腹側にははっきりとした斑などはなく、雪のような白い色をしている。

また、アデリーペンギンは頭部や顔の多くも黒色で、目の周りには白いアイリングがある。
このアイリングははっきりとしていてよく目立つが、アデリーペンギンは尾羽も長く、よく目立つ。

嘴の大部分が黒い羽毛で覆われているのもアデリーペンギンの特徴で、先端部も黒色をしているが、中には赤褐色や白っぽい斑があるものも見られる。
一方、足には羽毛がほとんどなく、ピンク色をしている。


アデリーペンギンの生態・生活

繁殖期以外は南極大陸の沿岸域で群れをつくって生活し、流氷と共に冬を過ごしている。

主に魚類やイカなどの頭足類のほか、時にクラゲなども食べているが、沖合での主な食べ物はオキアミとも言われている。

オキアミが多く食べられるようになったのは20世紀はじめのヒゲクジラの減少などによるものと言われていて、クジラとの競争が減った結果、オキアミが容易に入手できることから主な食料原になっていると考えられている。

外敵はヒョウアザラシやシャチなどで、ヒナや卵などはカモメ類に襲われることもある。

陸上での動きは鈍く、ぎこちなく歩いたり、両足で跳ねたり、氷上や雪の上では腹ばいになって滑ったりしている。
しかし、水の中に入ると敏捷に泳ぎまわり、ふつうは4~8km/h程の速さで泳いでいるが、時にはイルカのように水面から飛び出し、1m以上も水面から離れることもある。

潜水能力にも優れ、採餌は水深70m位までで行われることがほとんどだが、アデリーペンギンは水深175m辺りまで潜れるとも言われている。


アデリーペンギンの繁殖・寿命
アデリーペンギンの繁殖期は10月~翌年の2月にかけて見られ、南極の初夏にあたる10月下旬ころから11月にかけて繁殖地に戻り、大きなコロニーが形成される。

繁殖地は南極大陸の海岸域と周辺の島々で、営巣場所は海岸に近い岩場の雪のないところが選ばれるが、雪が溶けた時でも巣から水が流れ出るように、傾斜した斜面などが選ばれる。

また、一般的に、アデリーペンギンは同じ巣に戻ってくると言われているが、巣は地表に小石を積み上げてすり鉢状のものがつくられる。
これも、雨や雪が降っても卵が冷たくならない為で、巣はできるだけ小石を積み上げて高いものがつくられる。

しかし、繁殖地では雪のない岩場や小石は少なく、巣作りの時期には小石を奪い合う光景があちこちで見られる。

南極で最も暖かい11月中旬までには、雌はふつう2個の卵を産み、抱卵は雌雄によって行われる。
卵は32~35日前後で孵化するが、その間の抱卵は、平均12日前後で雌雄が交代する。

孵化したヒナは3~4週間ほどは巣に留まっているが、その後はヒナだけが集まってつくる「クレイシュ」と呼ばれる群れの中に入って行き、集団生活を行う。

この間の親鳥は雌雄ともに海へ採餌しに出ていくが、クレイシュへ戻ると、鳴き声だけで自分のヒナを探し出し、餌を与える。

また、孵化したばかりのヒナには羽毛が生えているが、10日程で別の羽毛に生え変わり、50~60日程で幼鳥の羽毛に換羽する。
その後海へ出て自ら採餌するようになり、雌雄ともに3~6年ほどで性成熟する。

詳しい寿命は分からないが、野生下では16年ほど生きることが知られている。


アデリーペンギンの保護状況・その他

アデリーペンギンは個体数が多く、現在のところ絶滅の恐れはないとされている。

アザラシやカモメなどの外敵はいるものの、南極という極端な気候地域に生息していることから、開発などによる生息地の分断も見られない。

近年の温暖化の影響により生息数は減少傾向にあるとも言われているが、南極半島では減少しているが、他の地域では個体数が増加しているコロニーもあり、全体としては増加傾向にあると考えられている。

尚、「アデリー」の名前は、1830年代後半から1840年代前半にかけて南極を訪れたフランスの探検家であるジュール・デュモン・デュルヴィルの妻であるアデルに因んでつけられた地名・テール・アデリー(アデリーランド)から付けられている。

この遠征の時に同行していたフランス人外科医のジャック・ベルナール・ホンブロンとオノレ・ジャキノが、1841年に本種を科学的に記述し、学名 Catarrhactes adeliæを与えたが、この時に用いた標本が、テール・アデリーの地から収集したものであったことから「アデリーペンギン」と名付けられている。

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