セーブルアンテロープはレイヨウの中では大型で、アフリカのケニア南東部からタンザニア東部、ザンビアやアンゴラ、モザンビークやジンバブエ、南アフリカ共和国北部などに分布している。 体色は雌雄で違っているが、名前のように(Sableはクロテン)、雄は黒色や黒褐色をしている。 雌や子どもでは色が薄く、茶褐色や栗色などであるが、雌雄いずれも腹部は白く、顔にも白い斑がある。 (尚、Antelopeとは、ねじれていない、細くて長い角をもつウシ科の総称) 雌雄共に角があり、眼のすぐ上の辺りから、サーベル状の太い角が伸びている。 雌では雄よりも短いが、雄の長いものでは150cmを超えるものもいる。 また、体毛は短いが、首の後ろから肩にかけては、タテガミのようにも見える長い毛が生えている。 一見してローンアンテロープに似ているが、セーブルアンテロープの角は長く、体色や顔に見られる斑なども違っている。 普通は1頭の雄に率いられた10~20頭ほどの群れで生活しているが、時には80頭ほどの群れをなすこともある。 昼間に活動し、草や木の葉などを食べるが、日中の暑い時間帯は休んでいることが多い。 また、外敵などを警戒して、しばしば暗くなってからも活動する。 森林や草原、サバンナなどに生息しているが、水場近くに見られることが多く、川や水飲み場などの水源から3km程離れたところでは見られないとも言われている。 乾季には、水の見つけやすい谷底などに移動し、ミネラル補給の為に、塩なめや動物の骨を齧ることも知られている。 また、セーブルアンテロープは一定の場所に長く留まることはなく、常に食べ物を求めて歩き回っている。 視覚と聴覚にすぐれ、ライオンやヒョウ、ハイエナなどの外敵を見つけると素早く森の中に逃げ込んで身を守るが、時には強力な角を使って立ち向かい、ライオンを倒すこともあると言われている。 しかし、この見事な角を目的とした密猟や、近年の開発などによって、セーブルアンテロープの生息数は減少している。 繁殖期は5~7月頃で、一夫多妻。 妊娠期間8~9ヵ月の後に、普通は1産1子を出産し、子どもは6~8ヶ月程の間は授乳される。 雌は2~3年、雄は3~4年で性成熟し、雄はこの頃には群れを離れていく。 野生での寿命は16年、飼育下では18~19年程度と言われている。 尚、セーブルアンテロープには、現在4亜種が知られているが、亜種によっては生息数が少なく、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに、絶滅危惧種として指定されている。 ・Hippotragus niger niger 基亜種で、もっとも広く分布している。 ・H.n. variani ジャイアントセーブルアンテロープと呼ばれ、アンゴラ中央部に分布。 生息数が少なく、IUCNでは絶滅危惧種(CR)として指定している。 ・H.n. kirkii アンゴラ中央部とザンビア西部に分布。 IUCNでは絶滅危惧種(VU)としてレッドリストに指定している。 ・H.n. roosevelti ケニアやタンザニアなどに分布。 ウシ科の動物へ / このページの先頭へ |
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セーブルアンテロープ