動物図鑑・ヨナグニシュウダ

ヨナグニシュウダ さんのプロフィール



動物図鑑・ヨナグニシュウダ

ヨナグニシュウダ

有鱗目・ナミヘビ科
学 名 Elaphe carinata yonaguniensis
英 名 King ratsnake / Chinese king ratsnake / Kkeeled ratsnake / Stinking goddess
分布域 与那国島
生息環境 森林や雑木林、農耕地など
全 長 130~200cm 程度
環境省レッドリスト / 絶滅危惧種 (EN)

シュウダは、シマヘビなどと同じナミヘビ科に属している中型から大型のヘビで、日本や台湾、中国南部やベトナム北部などに分布している。
和名のシュウダは「臭蛇」と記述されるが、シュウダの仲間は危険を感じると総排泄孔から悪臭がする分泌物を出して身を守ることから、この名前が付けられている。

ヨナグニシュウダは、日本の固有亜種とされていて、先島諸島の与那国島だけに分布している。
背面の鱗には隆条があり、体は雌の方が雄よりも大きい。

体色は淡褐色や緑褐色、淡い黄緑色のような色合いで、灰色のようなものも見られる。
腹面は白色や黄色っぽい色をしていて、目立たない細かな黒斑がある。

ヨナグニシュウダは、平地から低い山地にかけての草原や茂み、森林などに生息している。
また、大陸のものと同様、耕作地などにも生息していて、人家の近くにも姿を見せる。

昼行性で日中に活動し、主として地上性のヘビだが、木にもよく登る。
アオダイショウなどと同様、トカゲやヘビ、カエルやネズミなどのほか、鳥や鳥の卵などを食べるが、シュウダはネズミ類よりも毒ヘビを含む他のヘビ類を好んで捕らえるとも言われている。

敏捷でよく動き回るが、自ら襲ってくるようなことはなく、毒ももっていない。
しかし、興奮したり危険を感じると、悪臭を放つほか、体を膨らませて、シューッという噴気音をたてて威嚇する。
それでも相手が怯まないときは、噛み付いてくる。

野生での詳しい生態などは分からないが、基亜種では春に交配が行われ、雌は夏に6~12個ほどの卵を産み、40~60日程で孵化すると言われている。

尚、基亜種の E. c. carinata (チュウゴクシュウダ)は、 国内の尖閣諸島や台湾、中国南部からベトナム北部にかけて分布している。
ヨナグニシュウダよりも大きく成長し、腹面は黄色から淡い黄色のような色合いで灰色の縁取りが見られるが、体後半に従って灰色になる。

この他、ヨナグニシュウダは環境省のレッドリストに絶滅危惧種(EN)として指定されているが、尖閣諸島のチュウゴクシュウダも絶滅危惧種(EN)として記載されている。

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