動物図鑑・シマヘビ

シマヘビ さんのプロフィール



動物図鑑・シマヘビ

シマヘビ

有鱗目・ナミヘビ科
学 名 Elaphe quadrivirgata
英 名 Japanese four-lined ratsnake / Japanese striped snake
分布域 北海道から本州、四国、九州
生息環境 森林や藪、草地や河川敷など
全 長 1~1.5m 程度

シマヘビは日本の固有種で、同科のアオダイショウなどともに、もっとも身近なヘビとして知られている。
琉球諸島を除く日本全土に広く分布していて、農村部ではふつうに見られる。

体色は淡い黄褐色や淡褐色などで、名前のように、背側にはふつう4本の暗色の縦縞があるが、子どもは赤味を帯びていて、縦縞ではなく、暗色の横帯がある。
腹側は黄色っぽいが、体色や縞などには変化があり、縦縞の見られないものや、時に、カラスヘビなどと呼ばれている真っ黒な固体も見られ、腹側がやや赤味がかっているものもいる。

また、アオダイショウには白色変異の個体が見られるが、シマヘビも、稀に白いものが見られる。
大きいものでは2m程に成長するが、北のものは比較的小さく、80~100cm程のものが多いと言われている。

一見するとアオダイショウと似た感じがするが、体色が違っているほか、アオダイショウの目は黒っぽいが、シマヘビの目は赤っぽい(但し、黒色変種のものは、目も黒い)などの違いがある。
また、シマヘビの鱗は体の割には大きく、体中央部の体鱗は19列で、アオダイショウの23~25よりも少なくなっている。

シマヘビは、森林や藪、草地や二次林、河川敷など、平地から山地まで様々な環境に生息していて、都市近郊の水田や耕作地付近などでもよく見られる。
農村部ではふつうに見られるが、街中の神社や寺の境内などでも見られ、標高1700m程の高地にも生息している。

カエル類を好むことから、水田の近くではよく見られ、河川や小川、湖沼など、水辺の近くに多い。
泳ぎもうまく、木にも上るが、アオダイショウよりは地上性が強い。
動きは素早く、捕まえようとしても、山道などでは、まず捕まえることはできない。

シマヘビは日中に活動するが、朝方は体温を上げるため、しばらくの間は陽を浴びている。
また、気温が下がる冬季には、土の中に潜ったり、岩の下や樹洞などで、3~4ヶ月程のあいだは冬眠する。

カエルやトカゲ、ヘビ、昆虫や鳥、鳥の卵などのほか、ネズミなどの小型のげっ歯類などを食べるが、両生類や爬虫類を好むと言われている。
魚なども食べるが、シマヘビは共食いをすることも知られている。

ところで、シマヘビは無毒だが、気は荒い方で、脅かしたり危険を感じたりすると、顎が広がり、頭部は三角形になる。
尾を激しく振るわせて威嚇するが、歯は鋭く、噛まれると痛い。
また、歯には細菌が付いていることもあるので、消毒するなどしても痛みが残るようであれば、医師に診てもらうなどした方がよい。
しかし、水田の近くや山道などでもよく出会うが、何もしなければ、そのまま通り過ぎていくか、草むらや山の中へ逃げていく。

繁殖期は地域によって差があるが、4~6月頃に見られ、この時期の雄は、雌をめぐって互いに体を絡みつけて争う様子が観察される。

雌は7~8月頃に4~15個程の卵を産むが、卵は、岩や木の根の隙間、土の中や落葉の下などに産み落とされ、卵は1ヶ月半から2ヶ月程で孵化する。

生まれたばかりの子どもは全長20cm程度で、野生での寿命は詳しく分からないが、飼育下では10~12年程の寿命がある。
外敵はワシなどの大型の猛禽類やタヌキキツネイノシシなどのほか、子どもは他のヘビに襲われることもある。

シマヘビは国内に広く分布していて、絶滅の恐れなどはないが、近年の宅地化や市街化などによって水田や耕作地が減少し、都市部や周辺地域ではほとんど見られなくなっている。
自治体によっては、平野部や丘陵地での生息数が減少していて、要注意種に指定している。

*写真右下2枚は、カラスヘビと呼ばれる黒色個体

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